時間はだれも待ってくれない―21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488013394
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0097

出版社内容情報

30年ぶりに日本に紹介される東欧SF、ファンタスチカの傑作集。21世紀に入ってからの精華、10か国12作品を、新進を含む各国語の専門家が精選して訳出。解説=沼野充義

内容説明

二十一世紀に入ってからの東欧SF・ファンタスチカの精華、十か国十二作品を、新進を含む各国語の専門家が精選して訳出した日本オリジナル編集による傑作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

85
東欧は怪奇・幻想小説のイメージが多かったのですが、SFも中々。国土を大国の都合で引き裂かれ、空爆によって全てを破壊された街を住民が全て、当時のままに再現したポーランドだからこそ、書けた表題作のリリカルさが素晴らしい。「新教皇万歳」は選択に納得しつつもAIが人間の仕事を奪うと警鐘される今だからこそ、少し、心が軋むのかもしれない。「私と犬」の変わりゆく人間だからこその老いの悲しみと変わらないロボットとの対比、「女実業家」のロボットと人間の違いを理解できなくなった世界と人間の身勝手さに震えが止まらない。2016/08/11

スター

40
 一部を除いて21世紀になって書かれた東ヨーロッパのSF・ファンタスチカの短編を集めた作品集。個人的には、ほとんどの作品を面白く読むことができました。  従来東ヨーロッパの小説はロシア語からの重訳が多かったそうですが、編者のこだわりで、どの作品も書かれた言語から直接日本語に訳されてます。2022/07/23

かわうそ

25
東欧文学の特色か選者の好みもあるのかどこか懐かしい雰囲気の作品が並ぶアンソロジー。前書きから解説まで含め一冊の書物として楽しい。「ブリャハ」「盛雲、庭園に隠れる者」「列車」がベスト3。2016/03/09

マウリツィウス

25
【東欧SF変遷/編】ポーランドにて語り継がれたSF選集を高野史緒さんが刷新編成したとも呼べる「傑作選」、「古典主義」を標榜した起源性を正すならば古典ギリシャ語文明の漠大な遺産を東方正教会システムは継承している。この編纂意図を再確認に、スタニスワフ・レム以降の訳語変遷すら予測済みでもある訳文痕跡を求めるならばシェイクスピアの齎した古典主義は否定倒壊される。よって古典ギリシャ語遺産を《正統価値》に設定した功績を再構築出来る。「古典主義」の本来意図を要請する文明性を「SF」ジャンルは内包している。/趣旨把握前提2014/01/03

三柴ゆよし

21
未来SFから歴史改変SF、リアリズム小説からバリバリの幻想小説まで、収録作品の範囲はかなり広く、SFファン、幻想小説ファンなら、必ず好みの作品が見つかるはず。個人的には、未来世界の教皇選挙の行方を描いたモンマース「ハーベムス・パーパム(新教皇万歳)」(オーストリア)、迷宮的な幻想のありかたがいかにも古都プラハを思わせるアイヴァス「もうひとつの街(抄)」(チェコ)、ブッツァ―ティの掌篇にも似た味わいのジヴコヴィッチ「列車」(セルビア)。幻想小説ファンとしては、アイヴァスの発見が特に嬉しい。はやく全訳を!2011/10/08

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