あの本は読まれているか

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  • サイズ 46判/ページ数 448p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784488011024
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われるが、実はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けてある特殊作戦に抜擢される。その作戦の目的は、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。――そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な任務に挑む女性たちを描く話題沸騰の傑作エンターテインメント!

内容説明

一冊の小説が世界を変える。それを、証明しなければ。冷戦下、CIAの女性たちがある小説を武器に超大国ソ連と戦う!本国で出版契約金200万ドル(約2億円)のデビュー作!2020年海外ミステリ最高の話題作!!

著者等紹介

プレスコット,ラーラ[プレスコット,ラーラ] [Prescott,Lara]
アメリカ、グリーンズバーグ出身。アメリカン大学で政治学を学ぶ。2018年にテキサス大学オースティン校のミッチェナーセンターで美術学修士号を取得。執筆活動を始める前は選挙運動のコンサルタントとして活躍していた。2016年に“Aedinosaru”でクレイジーホース・ヴィクション賞を受賞。2019年にデビュー作の『あの本は読まれているか』が刊行され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)主催の2020年エドガー賞最優秀新人賞にノミネートされた

吉澤康子[ヨシザワヤスコ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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評価

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

399
★★★★☆ 『ドクトル・ジバゴ』の作者ボリス・パステルナークの愛人オリガや、同書をソ連国民に読ませることで国家転覆を図るCIAの女性エージェント達の信念と愛の物語。 文豪が女性にだらしないのは東西問わず共通しているのかな?ボリスがダメ男すぎでしょ。オリガの一途な恋は応援できず。 一方、時代的に性差別に苦しむアメリカの女性達の逞しさには感銘を覚えた。黒人のゲイルが後に出世しているのは興味深い。女スパイの中では、イリーナよりサリーに感情移入してしまった。2025/03/10

まーくん

183
2014年に機密解除されたCIA文書に触発され本書が書かれたと言う。体制に批判的な内容から国内出版が許されなかったパステルナークの『ドクトル・ジバゴ』をソ連に持ち込み広めようとした計画で、文書で明かされなかった空白をフィクションで綴っていく。冷戦さなかの1950年代、パステルナークと愛人オリガを取り巻く厳しい雰囲気、かたやワシントンCIAオフィスの女性タイピスト達の目線。東西交互に、そして章立てごと、異なる人物の視点で語られていく。時間の流れと共に各ピースが次第に噛み合い全体像が浮き上がってくるのだが…。2021/01/25

harass

119
50年代冷戦下、パステルナークの小説「ドクトル・ジバゴ」はソ連国内では出版禁止だったが、CIAは対ソ連プロパガンダとして、この小説を本にしてロシア本国に送った実話を元にした小説。レビュで気になり内容をほとんど知らずに読むが、予想外でいろいろ驚いてのめり込んでしまう。パステルナークとその愛人とのドラマのほかに、CIAの女性タイピストたちや女スパイのドラマが絡む。地味で、血湧き肉躍るエンタメとはいえないのだが、読んでいていろいろ感心。ナイーブにもエピローグで良かったねえ、と。読書家にはぜひ。2020/07/22

R

118
ソ連という国を舞台装置にした物語でした。一種の懐かしさを呼ぶ、東欧ならではの異質さと弾圧されていた事実を文学作品を通して、国際政治闘争として読ませる物語。ドクトル・ジバゴという文学作品が、様々なプロパガンダとして扱われ、そこに関わった人間たちの悲喜こもごも、二重スパイ、個人固有の問題なんかがごたまぜに語られて興味深い物語だった。冷戦時代を今風に追体験するものといった感想を抱いた。実際とどの程度離れてしまっているんだろう、もう、解らないんだろうな。2020/09/07

のぶ

115
単なるスパイ小説の範疇に収まらない味わい深い文学作品だった。パステルナーク著「ドクトル・ジバゴ」を中心に物語は展開する。東西両面から話は描かれる。冷戦下のアメリカでイリーナはCIAのタイピストとして雇用され、そこである任務に抜擢される。「ドクトル・ジバゴ」をソ連国民の手に何とか引き渡し、迫害を行っているソ連の実情を国民に知らしめること。史実らしいが、自分は「ドクトル・ジバゴ」を映画でしか知らない。それでも現実にこんな事が行われていたのが驚きだった。本書はそれだけのものを思わせる筆力が込められていた。2020/06/07

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