出版社内容情報
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第3巻には「スポンサーからひとこと」など著者を代表する傑作16編を収録。
内容説明
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた決定版全集・全4巻。第3巻には「スポンサーからひとこと」など傑作16編を収録。
著者等紹介
ブラウン,フレドリック[ブラウン,フレドリック] [Brown,Fredric]
1906年アメリカ生まれ。日本でも翻訳SFの黎明期からショートショートの名手として知られ、短編集『未来世界から来た男』は1963年に創元SF文庫の刊行第1弾ともなった。また、ミステリやファンタジイの分野でも幅広く活躍し、1947年刊行の『シカゴ・ブルース』でMWA最優秀第一長編賞を受賞している。1972年没
安原和見[ヤスハラカズミ]
1960年鹿児島県生まれ。翻訳家。東京大学文学部西洋史学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポルコ
27
短編集といえども中編ぐらいのボリューム作品も多数あり。マック・レナルズとの共作はちょっと複雑な趣だけど、本邦初訳の「処刑人」は複雑ながらブレードランナー級の面白さあり。「最後の火星人」「星ねずみ再び」「選ばれた男」のユーモラスな痛快さが好き。2020/09/07
マッピー
14
初期の頃の切れ味鋭いショートショートが少なくなって、淋しい。その中では『六本脚の催眠術師』が、にやりと笑える面白さ。本邦初訳の作品が結構あるのは、この頃日本での人気に陰りが出てきたってことなのでしょうか。『未来世界から来た男』は、創元SF文庫の表題作にもなったけれど、今はもう受け入れられないかもしれないな。そして、冷戦真っ只中の時代に書かれたこれらの作品を立て続けに読むと、いかに当時の人たちが、冷戦さえなくなれば世界は平和になると思っていたかがわかる。今、「スポンサーからひとこと」あったら、どうだろう?2023/01/10
ふみふみ
11
「未来世界から来た男」と「漫画家」は十代の頃、初めて読んだブラウンの短編で覚えていましたが、前者はオチに至る内容が全く記憶と違ってました。プロット自体がSFあるあるなんで他の短編と混同し記憶が上書きされちゃったのかな。さて、ブラウンのSF短編はミステリ程文体が洗練されている訳でもなく、時代を反映した内容の古くささも否めないところ。だから新しい読者向け(文庫再刊)でなくて、既読者向けのニッチ戦略(全集)なのかなと考えたり。「星ねずみ」の続編「星ねずみ再び」が印象に残りました。2022/10/09
大森黃馨
10
以前の収録作品と比べて随分と落ち込んできてしまっているのは悲しいそれでも時としてはっとさせられる切れ味の作品の健在は嬉しい 寂しいと思う他の一因は以前にはあった怪奇小説誌の掲載作といったものが無くなりし事(長編には今だ書かれていた、のだろうか?) ただブラウン氏の著作は今回の全集のようなハードカバー単行本よりも文庫の方が似合っている気がする 2023/12/04
Susumu Kobayashi
9
ブラウンSF短編全集第3巻。全16編収録。表題作はいかにもブラウンらしい短編。「星ねずみ再び」は天才ねずみミツキーの登場する「星ねずみ」続編。楽しかったが結末は考えさせられる。「六本足の催眠術師」、「入れ替わり」、「漫画家」はユーモアがあっていい。「未来世界から来た男」の結末は暗澹たるもの。「スポンサーからひとこと」のアイディアは素晴らしい。絶体絶命の状況で生存の確率を上げる「賭事師」にはうならされた。巻末の「処刑人」は意外な冒険小説風の作品。2020/12/11