奇妙という名の五人兄妹

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010645
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ウィアード家の三女アンジーは、祖母に呼び出されてバンクーバーの病院にやってきた。祖母は自分が十三日後の誕生日に死ぬことになると予言し、続いてこう言った。
「お前たち五人の孫が産まれたとき、祝福のつもりで〈力〉を与えた。危機を回避する力、道に迷わない力、希望を失わない力、許しの力、戦う力。でもそのせいでお前たちの人生は台無しになってしまった。わたしが死ぬとき、この力を消してあげよう。そのために、お前が全員をここに連れてくるんだ」
アンジーは祖母の指示に従い、それぞれ〈力〉と悩みを抱える兄と姉二人と弟を集める旅に出た。『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』の著者が描く、奇妙(ウィアード)という名を持つ家族の奇妙な物語。訳者あとがき=田内志文

アンドリュー・カウフマン[アンドリュー・カウフマン]

田内志文[タウチシモン]

内容説明

兄妹に不思議な“力”を授けた祖母が死ぬまで、あと13日。危機を回避する力、道に迷わない力、希望を失わない力、許しの力、戦う力。祝福された“力”を持つはずの五人兄妹の受難とは?『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』の鬼才が贈る奇妙な一族の物語!

著者等紹介

カウフマン,アンドリュー[カウフマン,アンドリュー] [Kaufman,Andrew]
カナダ出身の作家、脚本家。ラジオ・プロデューサー。ノヴェラ(中編作品)All My Friends Are Superheroes(2003)で作家デビュー。『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』(2011)が、2015年に独立系出版社からの刊行作品を対象とするカナダの文学賞The ReLit Awardsの小説部門を受賞した。現在は妻とふたりの子どもとトロントに住む

田内志文[タウチシモン]
翻訳家、物書き。小説の執筆や朗読も行っている。元スヌーカー選手で、チーム世界選手権、アジア選手権日本代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

帽子を編みます

51
図書館の本、期限が迫って急いで読みました。急いで読むのが合う本ではないかと思います。五人兄妹が突き進んでいくのが爽快感があります。祖母が授けた祝福であり呪いである呪福、ゲームキャラクターの特殊能力のように思いました。段ボール、その他いろいろで兄妹で作りあげたレイニータウン、いわくありげなマセラティ、細部にこだわりを感じます。家族の物語、父の死、母の状態、各人の呪い、謎の解決がすんなり納得できなかった気がします。もう一回読んで確認した方がいいかな、そんな気分で本を閉じました。2021/05/12

とくとく

37
ウィアード(奇妙な)家の兄弟たちには、それぞれ祖母から授けられた不思議な〈力〉があった。「それがみんなの呪いになってしまうだなんて、思いも寄らなかった。…おかげでお前たちの人生が蝕まれてしまうだなんて」呪いを解く方法は、13日後に来るという祖母の死に目に、兄弟揃って立ち会うこと。〈許し〉の力を持つ三女・アンジーは、兄弟を集める旅に出るが…。奇妙な寓話。後半で語られる〈許し〉についての教訓にハッとする。力を得ることで、失うこともある。失うことではじめて、その価値がわかる。象徴的でユニークな表現が素敵。2017/03/17

あたびー

33
誕生日に死ぬから全員で自分のかけた呪福(祝福的呪い)を解いてもらいに来いと祖母に言われ、一人ひとりをかき集めて連れて行く下から二番目で妊婦ののアンジー(これ主役)。破茶滅茶道行。呪いが解けてきょうだい昏睡。ひとり無事のアンジーは人を許せない。死んでなかった父親を探して目を覚ましたきょうだいとまた揃って破茶滅茶道行。ものすごいパワーで引っ張っていくジェットコースターストーリー。最後は大団円。ダンボールの街が魅力的。カナダの小説。2021/05/24

有理数

23
生まれたとき、祝福として特殊な力を与えられてしまった個性豊かな五人兄妹の奇妙な旅。兄妹や家族の、言葉にしようのない独特な雰囲気が丁寧なかたちで描かれていて、読んでいて心地がよかった。唯一家族ではない人間も、一度は一行に加わるものの、どう見ても「違う」。兄妹や家族の見えない繋がりが文章や物語から浮上してきている。力のために苦悩し惑い、それでも想い合う一族のどたばた物語。そのへんてこさが面白いけれど、後半は言葉が柔らかに優しく刺さった。いやあ、面白かったです。 2017/06/04

poderosa2

21
本屋を歩いていると、瞳の奥に飛び込んできたティファニーブルーの綺麗な装丁と表紙のフォントに心を鷲掴みされ、その場でジャケ買いした本。 作家に対する知識もストーリーもゼロのまま読んだら、これが当たり! 微妙な能力を微妙に使いこなせてないような微妙な5人兄妹による再生のストーリー。 これ気に入った!!2018/10/15

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