J・G・バラード短編全集〈2〉歌う彫刻

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  • サイズ B6判/ページ数 405p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010591
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『結晶世界』『ハイ・ライズ』などの傑作群で、叙事的な文体で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。第二巻には本邦初訳の「ミスターFはミスターF」ほか、〈ヴァーミリオン・サンズ〉ものの「歌う彫刻」「ステラヴィスタの千の夢」など全18編を収録。特別寄稿=飛浩隆

J・G・バラード[J・G・バラード]

柳下毅一郎[ヤナシタキイチロウ]

浅倉久志他[アサクラヒサシホカ]

内容説明

科学技術と人間の関係を追求した、ニューウェーブの旗手。『沈んだ世界』『結晶世界』『ハイ・ライズ』で知られる鬼才の全短編を執筆順に集成する決定版全集。第2巻には本邦初訳作を含む全18編収録。

著者等紹介

バラード,J.G.[バラード,J.G.] [Ballard,James Graham]
英国を代表する作家。1930年、上海生まれ。「探求されねばらないのは外宇宙ではなく、“内”宇宙である」として、SFの新しい波運動の先頭に立った。終末世界わ独自の筆致で美しく描き出した“破滅三部作”と呼ばれる『沈んだ世界』『燃える世界』『結晶世界』や、濃縮小説と自ら名づけた手法で書き上げた短編を発表し、その思弁性が多くの読者を魅了した。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

67
短編集。近未来の人口が極端に増加した社会が舞台のディストピア的なものから壮麗なヴィラで展開される幻想的なものまで多彩な作品が並び、そこに描かれる、住む人に合わせて自ら変形・調整する向心理性建築(サイコトロピック・ハウス)などのイメージやモチーフも楽しみながら読みました。「かなえられなかった野心」の残骸のような場所で掴む栄光の空しさともの哀しさが胸に残る『砂の檻』、二億年前の海と感応する『いまめざめる海』、超資本主義化した社会で消費と労働に駆り立てられる人間の姿が身につまされる『無意識の人間』が特に好き。2024/07/23

澤水月

40
耽美な幻想掌編・時間の庭、マグリット的悪夢・監視塔、ヴァーミリオンサンズもの…改めて最高!闇の奥(地獄の黙示録)やゼイリブ?! とか「眠らず動き回り」「モヒカン」の「トラヴィス」ってまさか?!など本歌取りしあい空想楽しい。年代順のお陰で時間、廃墟、テクと生体混淆、怠惰なリゾート、超現実主義、強迫観念など主要モチーフが26-30歳既に完成と改めて実感。バラードなのに真っ当SFで〆た!(車衝突で欲情、性交なく絶頂な人々とか描く作家だもん)と変な感心/やっぱ普通のSFで終わらんわぁと痺れる振り幅。飛浩隆氏解説◎2017/05/15

踊る猫

22
私たちは欲望を実現させるべく生きている……が、その欲望が実は自分の内側から湧き出たものではなく、第三者によって作り出されたものだとしたら? あるいは、自分が真に欲するものではないのに強迫観念や依存によって無理やり求めさせられているとしたら? これらの問いを抱えながらバラードを読むと、彼の作品は今でも充分に刺激的であることがわかる(もしくは「これから」?)。だが、これらの短編は一見するとアイデア一発の書き方のようで実は緻密に計算された短編を書いていることに興味を惹かれる(さながら映画のようだ)。アクチュアル2021/08/25

踊る猫

22
J・G・バラードは何処まで時代を予見していたのか? ということには特に興味がない。つまり、未来を予告していた作家ではなく、「今」を見据えていた作家として読んでいる。強迫観念/狂気/消費社会の焦燥……そういうものを描く強度において、バラードの右に出るものは居ない。これは頓珍漢に聞こえるだろうが、本書所収の短編はある意味ではスティーヴン・ミルハウザー的でもある。つまりSFの作家としてだけ読むと本質を見失うのではないか……と偉そうなことを書きつつも、しかし私は本書を読めたという自信がない。ショット群が鮮烈に残る2018/06/27

ねりわさび

12
通常の小説文法では遠景から解説描写が行われ、後に近景である行動&心理描写が展開していくがバラードの表現はそれの対極。登場人物たちは物語の初めから既に近景に在り、行動を起こすか、あるいは巻き込まれている。読者は何がここで起きているのかと不安に駆られながら、遠景である状況描写を理解していく。SFサスペンスとしては比類なき秀逸な短編集2017/08/02

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