出版社内容情報
大反響のシリーズ第3弾。今回は「免疫」と「記憶」の謎に迫る。神秘のベールに包まれた体内ネットワークを見てみよう。NHKスペシャル「人体?神秘の巨大ネットワーク」書籍版第3巻。
今回のテーマは、“腸”と“脳”。
花粉症に食物アレルギー・・・現代人に広がる悩ましいアレルギーを根本解決するカギが、あなたの腸と無数の腸内細菌との間で交わされる“会話”にあることがわかってきた。
親から子へ受け継がれる「健やかな腸の会話」とは?
そして、コンピューターには真似できない「ひらめき」を生む、人間の脳。
その驚くべきネットワークの全容がついに解明され始めた。
さらに、ある臓器から脳に伝えられる“メッセージ”の解明が、認知症の治療にも活かされようとしている。
番組で使われたCGや体内映像を再構成し、最先端の科学による、新たな人体像をわかりやすく紹介。
NHKスペシャル「人体」取材班[エヌエイチケースペシャルジンタイシュザイハン]
編集
内容説明
「免疫」と「記憶」の正体に迫る、大反響のシリーズ第3弾!神秘のベールに包まれた体内ネットワークを見てみよう!
目次
第4集 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった(腸は免疫力を司る臓器;人体の免疫本部;腸内細菌の異常が招く“免疫の暴走”;腸での会話の理解が医療を変える)
第5集 “脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体(脳に広がる神経細胞のネットワーク;“ひらめき”の秘密;海馬に刻まれる記憶;認知症撲滅作戦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
21
免疫のゲートタワーとしての腸管は重要であるが、腸内細菌の働きがアレルギーや自己免疫疾患に関わっていることは知らなかった。日本人は縄文時代から海藻や木の実・きのこを食べて来たが、意識して食物繊維を多く摂取することで低下している腸内細菌を健康に保ちましょう。脳の神経細胞は、一生増えないというカハールらの説は現代では否定されており、海馬の歯状回で新たな神経再生が毎日起こっている。海馬を刺激するには3Dゲームがいいらしい。インシュリンのトロイの木馬作戦には執念を感じた。意外なネットワークだらけなんだね、人体は。2018/08/29
ophiuchi
18
本庶佑さんのノーベル賞受賞で免疫システムが注目されたけど、まだまだ分かっていないことが多く今後の研究の進展が期待できそうだ。記憶のメカニズム解明はAIの進展に結びついていくことだろう。2018/12/25
mikarin
16
腸内フローラを整える。何も考えない時間を大切にする。具体的には発酵食品と食物繊維を食べること。散歩すること。ゆっくりお風呂に入ること。こういう本を読んでいると自分の自意識なんてちっぽけなものなんだなとしみじみ思います。それから情報をアップデートすることの大切さも。日々新しい発見があり、定説が覆され、新しい常識が生まれているということ。2021/03/21
栗羊羹
14
こんなにも緻密で、正しく活動し、優しい細胞たちが、私たちの中で今この瞬間も動いている…なんてすごくてありがたく、摩訶不思議なことか!「第2の脳」と言われる腸内フローラをバランスよく保って元気でありたい。 そして「脳がひらめいた時」…よくマンガで頭の上に電球が光ったり、ビックリマークが3個くらい見られるけど、ひらめいた時の電気信号の幹は太く全体をつなげているそうです。テレビで見た方もあらためて楽しむことができますよ!2019/03/28
アルカリオン
13
p156- 脳の血管の壁の細胞は、互いに強く結合しているためほとんど隙間がなく、薬が通り抜けることができない。そのため、アルツハイマー病の治療薬を脳の神経細胞に送り込むことができない▼UCLA名誉教授が指揮する米国ベンチャーは、血液脳関門の通過が許されている数少ないメッセージ物質のひとつであるインスリンの機能・性質を模倣することで血液脳関門を通過できる薬の研究開発を進めている▼日本の製薬会社も、血液中の鉄を脳へと運ぶのに関係する「トランスフェリン」というたんぱく質に着目した、同様の開発を進めている。2021/08/31