出版社内容情報
著名な作家や文学者,中でも古本好きの46名が人生途上で感動した古本屋や古書について書いた名随筆の数々を,写真とともにアンソロジーで味わう。本への愛情に満ちた一冊。
内容説明
古書好きの著名な方々が古本屋や店主たちのおもかげ、古書をめぐる珍談、奇談不思議な因縁、古書へのうんちくなどを生き生きと楽しげに綴る。どれもこれも興趣が尽きない。
目次
1 私の古本漁り(奥野信太郎「曝書」;小島政二郎「古本屋」 ほか)
2 心に残る古本屋(岩佐東一郎「兵隊古本屋」;山田風太郎「ある古本屋」 ほか)
3 異国の古本屋(松村武雄「古本探しの記」;市河三喜「古本漁り」 ほか)
4 私の掘出し本(石割松太郎「岩井半四郎最後物語」;藤木秀吉「『歌舞伎』の合本」 ほか)
感想・レビュー
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hf
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アンソロジー。森万紀子、佐野眞一が載ってたので手にとり、奥野信太郎、紅野敏郎、結城信一の文章も読んでみた。奥野信太郎が上野仲町通りの古書舗琳瑯閣について書いてて、土間が少なくてすぐ上框になってたから、畳の上に上がらないとサイドの書棚の本は見れなかったと。で、畳の上の番頭小僧に命じて本を下させて見ていて、”お客からいえば不便にはちがいないが、その代りこうした店の番頭小僧の眼つきは、いずれも商人らしい謙譲の情をたたえ、けっしてお客を泥棒としてみる今のような険しさは微塵ほどもみられなかった。” 昭和33年2023/01/21