出版社内容情報
多民族国家ハプスブルク帝国の繁栄を築いた偉大なる女帝マリア・テレジア。名君として,また優しき妻・母として生きたマリア・テレジアの生涯と時代を描く初めての歴史的評伝。
内容説明
統合ヨーロッパの先駆け、多民族国家ハプスブルクの偉大なる女帝。君主、妻、母として生きたマリア・テレジアの生涯。
目次
第1部 若き女王
第2部 七年戦争
第3部 母としてのマリア・テレジア
第4部 晩年の女帝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
17
オーストリアの女帝マリア・テレジアの評伝。3つの章に分かれていて、1章は少女時代から壮年時代までの概説、2章は家族や側近たちとの関係を、3章は晩年の様子や彼女がオーストリアに与えた影響をそれぞれ書いている。テレジアの君主としての有能さや人間的魅力を読みやすい文で解説しており、また夫フランツの「内助の功」などについて触れているのも良かった。マリア・テレジアへの評価がやや甘く、反対にプロイセンのフリードリヒ大王には辛すぎるように感じたが、これも一つの視点として有意義だと思う。2015/11/30
富士さん
5
再読。ちょっと女性性をロマンティックに考えすぎているような気もしますが、その点江村先生の価値観がより明瞭に出ているように思います。ドイツにおけるプロイセン中心のイメージを払拭し、ドイツ語圏にもオーストリアというオルタナティブもあったことを紹介することによって、この地域に厳格で抑圧的な、ナチスに最悪の形で体現されるようなありよう以外もあり得たことを示そうとされているのだとも思います。個人的には、これに続くフランツヨーゼフの伝記が好きなのですが、本書も同様な問題意識で書かれているのがよく分かりました。2019/06/17
からす
0
統合ヨーロッパが内側から崩れていきそうなニュースやヒトラーという名前などに接することが増えてきて、以前から、偉大な女帝として有名なマリア・テレジアを知りたくなって読んでみた。フランス、イギリスとは違う不安定なヨーロッパの側面が見えて大変面白かったです。
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