内容説明
本書はまず、日本地質の開拓者ナウマンがフォッサマグナの位置をどのように定義したかを、彼の文章に即して解明する。次に西縁の糸魚川―静岡構造線の実態を、断層露頭のほか近隣の地形や景観をまじえながら、北から南へたどる。また、東縁の直江津―平塚線という構造線は実在しないのだ、と、ナウマン説の欠陥をえぐり出す。その上で、古期「フォッサマグナ以前」、中期「フォッサマグナの変容」に分けて、フォッサマグナの実態を紹介する。
目次
1章 フォッサマグナの西縁、糸魚川―静岡構造線
2章 フォッサマグナの東縁、直江津―平塚線
3章 古期岩層―フォッサマグナ以前の岩層
4章 中期岩層―フォッサマグナの発生と発展
5章 大峰面―中期と新期の境界面
6章 新期岩層―フォッサマグナの変容
7章 新期の火山
8章 フォッサマグナの温泉と地下資源
9章 フォッサマグナと人類
10章 フォッサマグナの成因
11章 ナウマン小伝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
1
こうやって地学の勉強をちょこっとやってみると、ニッポン(列島)って地球上でかなり特異な場所のようですね。人体で言えば蟻の門渡り(最後に縫い合わせた場所という俗説ね)みたいな所でしょうか(折しも天皇が即位の式典をされたその翌日にこの国を下世話な譬えで申し訳ない)。本書はフォッサマグナ研究のメッカ(推測)である信州大で専門課程の教科書として書かれた(これも推測)本で、フォッサマグナについて分かっていること分かってないことをすべて盛り込む勢いで詳しく書かれていますが、初心者向けではないようで読むのは大変でした。2019/10/24
鑑真@本の虫
0
もし仮に、私が群馬に生まれなければ、手には取らなかったと思う。まだ古い情報なので、参考としては、話し半分だけれど、なかなか為になる。2010/01/01