出版社内容情報
2025年大河ドラマ『べらぼう』の主人公!
蔦屋重三郎が1冊でまるわかり!!
歌麿、写楽、北斎を世に送り出した江戸の出版王の粋な人生と時代背景を大解剖。
蔦屋重三郎研究の第一人者・鈴木俊幸氏、
江戸文化を深く知る講談師・神田伯山氏ほか、
江戸の研究者・専門家たちが語る蔦重の真の姿。
・蔦重が仕掛けた7つの偉業
・歌麿・写楽・北斎etc. 作品解説
・人物相関図・生涯年表
・江戸のメディアと政治/当時の出版文化
・蔦重が生まれ育った吉原遊廓
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
50
元々が意図的に流布された巷説も多く体制に批判的な夢追い人イメージだけが先行しがちな蔦重を大河連動ムック風のキャッチャーなトピックと従来イメージでは理解しきれない研究の現在地を語る研究者諸氏の寄稿とで柔らかすぎず硬すぎずいい塩梅に仕上げたバランス良い蔦重ガイド。蔦重が初期の経営基盤に手習所向けの教本を据えていた手堅さや狂歌本の出版と並行して自ら「蔦唐丸」として狂歌連の世話役を引き受け狂歌人口を増やした手腕、遊興より学問熱が高まると草紙から書物にシフトする柔軟さ。地盤を固めつつ先を読む重層的な蔦重像が浮かぶ♪2025/02/09
takakomama
6
今年の大河ドラマの主人公、蔦屋重三郎の生涯や仕事、人物相関図、時代背景などを解説。蔦屋重三郎は堅実な経営者であり、野心家であり、名プロデューサー。 先日、地元の図書館で「戯作と浮世絵」の講座を受講しました。久しぶりに大河ドラマを見ています。2025/03/10
くれは
3
蔦重の主な事績、年譜、事績の詳細、交友した著名人、当時の政治状況の順に紹介されており、構成が良いためとても分かりやすい。個人的にすこし不満だったのは、狂歌連が非常に重要と触れられていながら、具体的にどのような狂歌が読まれていたかがほとんど紹介されていないこと、また蔦重は「江戸琳派」を大成させた酒井抱一とも交流があったはずだが、そこには全く触れられていないことの2点。2024/12/31
いろいろよむよ
2
大河ドラマが取り上げる時代に詳しい本が出るタイミングで、今年は江戸時代、出版と政権のあり方、庶民の暮らしなど、時代背景を勉強しようと買ってみました。東洲斎写楽、喜多川歌麿あたりは普通に日本で生きているとたまに出くわす名前ですし、その作品も見かけますが、その周辺の人間関係や出自は知識がなかったので、面白く読みました。世界的には今、葛飾北斎が高く評価されていますが、その北斎と曲亭馬琴ら物書きたちの関係なども少し分かるように作られています。2025/02/04
ズグリーブ
2
“蔦重入門書”にこれを選んだの、我ながら正解だった気がする。蔦重の出版した書物や絵の写真はもちろん、人物相関図や遊女の一日の円グラフなど図解もふんだんで、楽しくページを繰っていけた。雑誌の記事みたいに数ページで書き手(語り手)が変わるし、テーマも変わるので最後までだれずに読める。蔦重初心者なので内容がどこまで適当なのかは分からないけど、勇気をもって、蔦重のすごさを端的にまとめてくれたことに感謝。細かい話だけど、吉原細見の巻末に自社出版物の広告を入れた話とか感心した。文庫本で今もよくあるもんね。2025/01/24