内容説明
「僕はいままで役者を育てたことはないけれど、英子を、僕の戯曲を通して育てたい」。三島由紀夫と過ごした濃密な6年間。没後、沈黙を守った女優がはじめて明かした、37年目の真実。
目次
三島先生の言葉から(出逢いから傍に落ち着くまで;先生のお傍で;ハロルド・クラーマン氏を紹介されて;先生と鶴田浩二氏との秘めた友情 ほか)
戯曲編(班女―近代能楽集ノ内;鹿鳴館;朱雀家の滅亡;サド侯爵夫人 ほか)
著者等紹介
村松英子[ムラマツエイコ]
慶應義塾大学大学院英文学科修了。文学座を経て三島由紀夫氏に女優として育てられ、氏のほぼ全作品を主演。第一回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。氏の没後、演劇母体サロン劇場を主宰。テレビ、ラジオ、映画、商業演劇にも多数出演。夫の病没後、二児のために数年間演劇を控えていた時期をへて、現在は舞台を中心に活躍中。倉敷市劇場「芸文館」初代館長、鳥取女子短期大学英文科教授、北海学園大学、母校慶應義塾大学特別講師等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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安南
37
『癩王のテラス』その他、三島戯曲理解のために。恥ずかしながら、今迄この女優さんを知らなくて。写真を見る限り、好ましい外見。舞台メイクをしたところなど、アナイス ニンにも似ていて素敵。一度舞台を観てみたかった。全体にガハハ笑いの三島像が描かれている。こういう手記などを読んで毎回思うのが、女性の目から見た三島はいつも優しい紳士。本気で相手にしていなかったといえばそうなのかもしれないけど(恋愛相手としても芸術家としても)でも、やたら女に対して愛憎渦巻いちゃったり、理想を押し付けてくる作家よりずっといいと思う。2014/11/26