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アル・カーイダと西欧―打ち砕かれた「西欧的近代化への野望」

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  • サイズ B6判/ページ数 193p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784484041131
  • NDC分類 319
  • Cコード C0031

内容説明

アル・カーイダと西欧の衝突は宗教戦争である。西欧がイスラム急進主義に対抗して掲げる普遍的文明という啓蒙思想はキリスト教から生まれた。アル・カーイダの特徴である神権支配と無政府性の奇妙な合体は西欧過激思想の副産物だ。両者を争いに駆り立てている信念の本質を、どちらの当事者も理解していない。

目次

第1章 アル・カーイダが打ち砕いたもの
第2章 近代化をめざした三つのプロジェクト
第3章 近代化論者の始祖
第4章 うたかたのグローバル自由市場
第5章 地政学と成長の限界
第6章 変容する戦争
第7章 パクス・アメリカーナ?
第8章 近代とは何かを事前に知ることはできない

著者等紹介

グレイ,ジョン[グレイ,ジョン][Gray,John]
オックスフォード大学政治学教授を経て、現在、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のヨーロッパ思想史教授。The GuardianやThe Times Literary Supplement、New Statesmanなどへの定期的な寄稿者としても知られる。ロンドン在住

金利光[キムイグァン]
1945年生まれ。京都大学英米文学科卒。翻訳家。翻訳工房パディントン・アンド・コンパニイ主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

38
面白い。文章はあちこちに飛ぶのと、テーマが章ごとに複数あり、本じたいを別にしてもよかったのかと思うくらい、読みやすくはない。ただ一貫するテーマは近代西欧の思想はそれに相対するようにみえる思想を生み出した始祖であるということ。まとめると、アルカイダとグローバル市場主義は兄弟であること。本気になってよいものかは、別としてひとくくりにする考え方は読んでいてわかりやすく、面白い。言われてみれば兄弟げんかと親子げんかこそ、骨肉の争いになるのは世の常だしね。2016/05/04

Masako3

3
★★☆ ヨーロッパ思想史の教授による、2004年の出版。教授の悲観的予測は、幸いにもまだ実現していない。すなわち、資源をめぐる戦争は激化していないし、石油は枯渇していない。また、米国はまだ強大で、ドルは基軸通貨だ。科学の進歩は人類に共通したプラットフォームをもたらすはずだとする思想、あるいは信仰を教授は否定する。アルカーイダも、ナチも、ソビエトも、グローバリズムも、その信仰に基づいているのだ、と断じている。画一的な社会を求めるパワーは強大で歪だ。2018/06/27

勘太郎

1
イスラム過激派は西欧に対決を仕掛けているように見える しかし、実はイスラム過激派は西欧近代思想の鬼子なのである2016/01/14

ハンギ

1
ジョン・グレイはリベラルだと思っていたんだけど、保守的な人みたいだった。反グローバリズムの視点。実証主義者→共産主義→アル・カーイダというのは面白い指摘ですが、ちょっと眉唾の様にも思える。アル・カーイダが近代的組織もしくはポストモダンの組織だと言う点には同意したい。この組織もまた、お金を世界中に移転できる金融の自由化の恩恵を受けているからである。(それで麻薬製造で得たお金をきれいにいしているのだそうだ。)こうした組織をなくすためには麻薬の合法化をすべし、という主張は過激だけど、傾聴するに値するかも。2012/09/16

huyukiitoichi

0
「近代」とは何かを問う2009/07/28

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