出版社内容情報
19世紀末パリで活躍した画家ヴァロットン。その独特の視点と多様な表現、卓越したデザインセンス溢れる黒一色の革新的な木版画180点を中心に紹介する作品集。
内容説明
群集と孤独、暴力と抵抗、男と女、理想と現実、光と影、そして黒と白。時代を明敏に捕らえたヴァロットンの木版画はアートシーンに衝撃を与えた。“異邦人”は19世紀末パリにうごめく雄弁な黒をとらえた。180点からなる木版画コレクションを中心とする展覧会の画期的作品集。
目次
エッセイ 領域としての黒(平野啓一郎)
エッセイ ヴァロットンのこと(江國香織)
版画家フェリックス・ヴァロットン「初めに線ありき」(カティア・ポレッティ)
「外国人のナビ」ヴァロットン(杉山菜穂子)
1 「外国人のナビ」ヴァロットン―木版画制作のはじまり
2 パリの観察者
3 ナビ派と同時代パリの芸術活動
4 アンティミテ:親密さと裏側の世界
5 空想と現実のはざま
特別関連展示 ヴァロットンとロートレック 女性たちへの眼差し
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
71
一昨日見に行った「ヴァロットン展」の図録。図録で見直しても白と黒の世界に惹かれてしまう。特に「アンティミテ」と題された男女の関係を描いた10点からなる版画集。そこには、ドラマを感じてしまう。会場では、これをアニメ化した映像が映されていて、しばらく見惚れていた。日本の版画や漫画にも通じるものがあり、それが惹かれるところかもしれない。そう言えば、全然話は違うけど、最近の漫画ではスミベタを効果的に使うものに出会ってない気もするなぁ。2022/12/25
かやは
8
ルナール「にんじん」の挿絵で有名なヴァロットンの画集。 シンプルなラインで表現された木版画。木版画の黒は漆黒。 1880年代にヨーロッパで木版画が復活したのは日本の浮世絵の影響だという。 風刺とユーモアに溢れ、デザイン性に富み洗練されている。 イラスト的で、どこかコミックのようなポップさもある。2023/08/03
Cinita
6
「ヴァロットン 黒と白」展、スタイリッシュな画面を浴びるほど楽しめたし、膨大なコレクションを通じてモチーフや作風の変化を辿れて大変よい展覧会でした。図録もなかなか凝っていて、黒地に銀インクで刷られた巻頭ページが美しい! 本の形になっていて全部は見られなかった作品や、展示になかった油彩画の図版も見られたし、ヴァロットンのナビ派における立場や内面の孤独に踏み込んだ解説も面白かったし、買ってよかったです。江國香織の巻頭エッセイもヴァロットン作品の物語性をとてもわかりやすく伝えてて、さすがだなーと思った。2023/01/15
bluelotus
5
★★★☆☆ 江國香織さんのヴァロットンの絵はとても小説的という言葉に納得。アンティミテは特に短編小説集のように感じられる。モノクロの方が人間の裏側を描きやすいのかもしれない。個人的には『ヴァイオリン(楽器Ⅲ)』がお気に入り♪2023/03/23
gkmond
1
ぱらぱらっと目を通した。軽みがあってよい。期待通り。2022/12/02
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- 和書
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