内容説明
世界中を魅了した前節の写真集『PERSONA』から15年。浅草ポートレート、新作による待望の完結編ついに刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
29
「私のひとりあそび」と鬼海さんは後書きで書いているけれど、街中でふと出会い撮影するというかたちはたしかにそうなのかもしれない。けれど、選ぶという行為と選んだ場所に撮影者の精神がある。浅草仲見世裏のあの壁を背後に思い思いのポーズでうつる人たち。それぞれの美意識やスタイル。たまらないひとりあそびだった。最後に瀬戸さん(だいぶ前に一緒にお酒を飲んだなあ)とプチャリンさんという、祖で振れたことがある人たちが出てきて思わず笑ってしまった。2019/12/05
チェアー
11
鬼海好き、PERSONA好きだからしようがない。なんでこんなに人の隠れたところにあるど真ん中の本質をえぐり出す写真が撮れるのだろう。同じような機械で、同じタイミングで撮影しても、わたしには撮れない。撮る側がまるで写り込んでいるような写真群。まったく違うひとが、並べると同質に見えるのも不思議。わたしの隣に来る人はどんな人なんだろう。2019/06/23
暗黒大陸すがわら
0
私淑させていただいている写真家・鬼海弘雄さんの最新写真集。 哲学者・福田定良先生から学び、写真の中で福田哲学の真髄と言ってもいい世間に生きる市井の人々との対話から生れたて至極の写真と人間の数々。なにかに迷い落ち込んだとき、この写真集を開けば、きびしく温かい世界か胸に突き刺さることであろう。2019/06/07