出版社内容情報
2005年、着工。現在も建設中。200年もつコンクリートで、「蟻鱒鳶ル」をつくる男の意志と記録、そして未来。
岡 啓輔[オカ ケイスケ]
著・文・その他
萱原 正嗣[カヤハラ マサツグ]
著・文・その他
内容説明
2005年、着工。現在も建設中。「蟻鱒鳶ル」をつくる男の意志と記録、そして200年先の未来。
目次
序章 坂の上のバベル
第1章 激闘!セルフビルド
第2章 人がつくる魔法の石
第3章 即興の建築
第4章 夢のはじまり
第5章 船出の日
第6章 建築武者修行
第7章 悲しい現実
第8章 絶望からの大どんでん返し
第9章 単純な真実
終章 世界を変える建築
著者等紹介
岡啓輔[オカケイスケ]
1965年、福岡県生まれ。一級建築士。住宅メーカー勤務後、東京で土工、鳶、鉄筋屋、型枠大工など現場経験を積む。2003年、「蟻鱒鳶ル」案が「SDレビュー」入選。2005年から東京・三田にRC造のビルをつくりはじめる。現在も建設中
萱原正嗣[カヤハラマサツグ]
1976年、大阪生まれ神奈川育ち。フリーライター。人物ルポから人文・歴史、社会科学、自然科学まで幅広いテーマを取材・執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
69
鉄筋コンクリート建築を全てセルフビルドで建ててしまおうという過程を書かれているノンフィクションで、岡さんは設計から現場まで全て出来る才能豊かな人だ。そしてこのビルの最大の特徴はセメントの質量に対する水の質量の割合はふつう工場出荷時で60%に対して普通では考えられない37%と驚異的!で寿命がぐんと伸びる点にある。2019/03/24
booklight
42
【拾読】『自力でビルを建てる男』ということで10年も港区三田で、自分で設計、施工、コンクリートまで打って、ビルを建てている。即興で建築するというコンセプトとそれを実現する70cm打法と200年持つコンクリート。土地の入手の工夫(理論武装して五千万値引き)やコンクリートの説明(自由に石を作れる)なども面白い。自分語りも、どういう建築家になろうか悩んで、セルフビルドで即興で作ることに行きつくくだりや、高知の沢田マンションに行って、最初はダメだししていたのが、夜中に「それでいい」と気づくのが興味深かった。2022/09/04
あじ
38
05年にセルフビルド(自力建設)着工、現在も工事が続く東京三田のガウディこと岡さんの自著です。水分量で決まるコンクリートの寿命。建築現場で嫌悪される練度を妥協せず全て人力で行い、250トンもの地表を掘り出してきました。しかしここにきて「再開発エリア」に指定され、ある決断を下します…。建築に捧げてきた半生を綴り“バベる”精神を200年先へと伝える(耐用年数)。絶対成し遂げてやる、その熱き想いを自身に言い聞かせる為に筆を取ったのでしょう。本懐を果たした暁には、写真集を出版して欲しい。【購入本】2018/07/20
ばんだねいっぺい
29
サッカーの試合を見に来たのに横に置いといて一気読み。今年の一冊になる予感。自分の手で自分の家を作るセルフビルドの世界。一筋縄では行かないところにおもしろみがあると信じたい。建築版「宮本から君へ」という感じがした。蟻鱒鳶ル。東京へいったら、寄ってみよう。2018/04/22
ophiuchi
24
東京都心の狭小地にすべて自力で鉄筋コンクリートのビルを建てている男の話。『「蟻鱒鳶ル」は僕にとっての《バベルの塔》だ』とあるけど、完工時期が見えないし、その怪奇なたたずまいは「一人サグラダファミリア」かと。水セメント比を37%に抑えた手練りコンクリートは200年もつという話は目からうろこだった。建築業界のいい加減さがあれこれ書かれていて、この業界を目指す若者にぜひ読んでほしいと思った。2018/09/25