内容説明
20世紀をかけぬけた衝撃の演奏家の遺したさまざまな謎をピアニストならではの視点でたどり、ライヴ演奏の未知の美しさをも手がかりに、つねに新鮮なその魅惑と可能性を浮き彫りにする原体験的グールド論。
目次
コンサート・ドロップアウト―同業者の目からグールドを見ると
彼はどのような点で天才なのか―楽譜をみたらすぐに弾ける、練習をしなくても弾ける
彼はどのようにしてデビューしたのか―競わずにナンバーワンになる法
踊る祈祷師のレコード・デビュー
彼はどんなふうにしてピアノを弾いたか
彼はどのように教育されたか―ディヌ・リパッティとの対比において
僕は神童ではなかった―少年時代の録音から
一九五五年という年1―演奏スタイルの変遷と時代の耳
一九五五年という年2―ロマンティックからクール・スクールへの変貌
アポロン派とディオニュソス派―さらにワンクッション、ロマン斬り
彼はどのようにして演奏活動を耐え忍んだか―ステージ活動をするということ
彼はどのようにして演奏活動から撤退したか
そして、ここからグールドが本当のグールドになる
オズの魔法使いとエメラルドの都―実演とスタジオ録音の違い
二倍速の共犯者
「ボクは作曲家になりたかった」
運命の動機―変わるものと変わらないもの
グールドの歌声
受肉の音楽神
結局、彼は何者だったのだろうか?
未来のピアニスト―グールド・ファンも、そうでない人も
著者等紹介
青柳いづみこ[アオヤギイズミコ]
ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程修了。1989年、論文「ドビュッシーと世紀末の美学」により、学術博士号を受ける。90年、文化庁芸術祭賞受賞。著者に、『翼のはえた指 評伝安川加壽子』(吉田秀和賞)、『青柳瑞穂の生涯』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『六本指のゴルトベルク』(講談社エッセイ賞)、CDに『ロマンティック・ドビュッシー』(ミュージック・ペンクラブ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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