内容説明
『ボーイ・ミーツ・ガール』および『汚れた血』のたった二作によって「ゴダールの再来」あるいは「フランス映画の恐るべき子供」という〈神話〉を生み出したカラックス。新作『ポンヌフの恋人』が完成するまでの苦難の道のりと作品自体がはらむ力強い可能性を中心に、さまざまな角度からカラックスの世界に挑む本書は、彼とともに歩む映画の未来への運動を指し示している。
目次
1 現在形としての対話―『ポンヌフの恋人』をめぐって(レオス・カラックスとの対話;ジャン=イヴ・エスコフィエとの対話)
2 混沌と再生―『ポンヌフの恋人』はいかにして作られたか
3 フォト・ドキュメント―『ポンヌフの恋人』のオープンセット建造過程を追う
4 あるシネアストの軌跡
(アレックスからレオスへ)
5 作品論に向けて(映画史の孤児;眼差と沈黙のはざまで;炎と水の変容)