内容説明
映画を見るとは、「ことば」と「自分」を失うことだ。そこには微笑の温度が香りのように漂っている。それを伝えるためにこそ、映画の批評は書かれなければならない。気鋭の著書によるアメリカ映画を軸とする評論集。
目次
悪夢の中で目覚めて―アメリカ映画の現在
映画の中の自殺
映画の中の隠れ家
映画の中の「治癒の奇蹟」―触のドラマツルギー
映画の自画像、または、プロたちのファミリー賛歌
水面下の二人―『ブラック・ウィドー』と『恋のエチュード』
『リリー』、聖なる丸顔の誘惑
映画の光に照らし出されること―『あなたがいたら』によせて
『光る女』、箱の中の水
『ラブ・ストーリーを君に』、悲しみの中で微笑した少女
ジョン・ヒューストンの『ザ・デッド』―映画の歌心
街角を歩こう!―ルビッチ、ドイッチと足並みそろえて
『アビス』、深渕を貫く声
ホウ・シャオシェンの微笑
“普通の映画”を探して―アメリカ映画1978‐1988