内容説明
時代の奔流にあらがい、来るべき時代を見すえて紡がれた、政治への思考。丸山眞男、中井正一、和辻哲郎ら思索者たちの軌跡をたどり、隠された可能性を指し示す。政治思想史研究の、新たな視座を切り拓く最新論集。
目次
1 美と秩序をめぐって(二つの樹の絵―中井正一と日本美術;大いなる切断―中井正一の秩序構想;古き日本のアルカディア―J.マックマレンによる熊澤蕃山研究;和辻哲郎の「古代」―『古寺巡礼』を中心に:時と風―坂部恵追悼;「為し能ふ」ことの不思議―カントと和辻哲郎;社交への意志;廃墟のモーリス・ラヴェル;洞窟としての世界)
2 政治を超えるもの(「不思議の世界」の公共哲学―横井小楠における「公論」;帝国の倫理―後藤新平における理想主義;「政治」の運命―『大百科事典』刊行七十周年によせて;混沌への視座―国家と暴力wめぐって;「大正百年」としての現在―都市と大衆、そして震災;恐怖とのつきあい方)
3 歴史の時間(歴史家の夢―平泉澄をめぐって;回想と忘却―丸山眞男の『神皇正統記』論;語りの時間―牧野伸顕『回顧録』と吉田健一;「関節が外れてゐる」時代―吉田健一『日本に就て』解説)
著者等紹介
苅部直[カルベタダシ]
1965年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。現在、東京大学法学部教授。専門は日本政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruka Fukuhara
6
借りてきたものの何だか敷居が高い気がして放置しているうちに期限が来てしまって急いで読んだ。もっと早く紐解かなかったのが悔やまれる。なかなか面白い論集だった。昔の日本の偉い知識人を見ていてやや不思議なのは、現存する同時代の外国人を信奉・心酔してしまう人の多さ。自分など外国人というだけで良さそうなことを言っていても構えてしまうところがあるし、生きている人のことはあまり信じない(晩節を穢す人が多すぎる)ので、信奉していた人の変節(ハイデガーのナチス賛美など)に衝撃を受けている人の姿に衝撃を受けてしまう。2017/05/06
やまべ
2
丸山真男や和辻哲郎といった名前ならまだしも馴染みがあるが、北畠親房だの熊沢蕃山だのになると、もはや「そういえば受験の日本史でそんな名前が出てきたなぁ」くらいの認識しかない。西洋哲学なら少しは読んでいても朱子学となると「はぁ?」となってしまう自分の偏り具合が情けない。しかしそんなアウェイな世界でもしみじみと読み耽ってしまう。装幀だけでなく、本としての佇まいが美しい本。もっと本を読みたくなる本。いや、褒めすぎだな。2013/09/17




