目次
第1部 市場の秩序と無秩序(経済の自己形成秩序;市場のみえる手;局所的知識)
第2部 急進客観主義への迂回(スラッファ『批判序説』の射程;ピエロ・スラッファ―ひと、分配、認識;不況の理論とスラッファの原理)
第3部 人間と合理性の限界(経済学における人間;「計算量」の理論と「合理性」の限界;反均衡から複雑系へ)
第4部 複雑系の理論(在庫・貨幣・信用―複雑系の調整機構;複雑系における人間行動)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハンギ
1
1990年出版。主に商品経済学について記述した本で、勉強になった。理念的な部分と、数理的な部分で成り立っており、理念的な部分は本書に取り上げられている、ピエロ・スラッファの影響があるそうだ。数理的な部分はあまり理解できなかったが興味深かった。著者はややプリミティブに商人や熟練労働者の世界を賛美するけど、そんな世界は多分残っていないと思う。ドゥルーズ的な経済学の見方みたいなのを提示しているとも受け取れなくはない。ただまだその形がしっかり証明されたわけではなく仮説的な議論にとどまっている。2013/10/17