あずかりっ子

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  • サイズ 46判/ページ数 128p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152104663
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

赤ちゃんが生まれるまで、ひと夏の間、親戚の家に預けられた少女。怒らず優しく接してくれる親戚との生活は初めて知る愛に満ちていた。だがこの夏もやがて終わりの時が――映画「コット、はじまりの夏」原作。感情の深みを驚くほど静かに描き出す著者の代表作


【目次】

内容説明

アイルランドの片田舎。大家族の中でひっそりと暮らす少女は、夏のあいだ、牧場を営む親戚夫婦に預けられることに。いつ帰れるのかも知らされぬまま始まった、見知らぬ家での新しい日々。ところが、少女を待っていたのは、木漏れ日のように優しい夫婦だった。彼らの愛情は、少女がこれまで知らなかった温もりと安らぎに満ちていた。次第に少女は心を開き、豊かな自然と共に小さな喜びを一つずつ噛みしめていく。しかし、秘密などないはずのその家で、彼女はやがて幸福の影に潜むかすかな亀裂を知ることに―。世界的にも最も優れた短篇に贈られるデイビー・バーンズ短篇賞を受賞。現代アイルランド文学を代表する作家クレア・キーガンの傑作。

著者等紹介

鴻巣友季子[コウノスユキコ]
英米文学翻訳家・文芸評論家

キーガン,クレア[キーガン,クレア] [Keegan,Claire]
アイルランドの作家。デビュー作の短篇集Antarctica(1999年)でルーニー・アイルランド文学賞を受賞。第二短篇集『青い野を歩く』(2007年、邦訳は2009年)はエッジヒル短篇小説賞を受賞。2010年発表の本書は世界的にも最も優れた短篇に贈られるデイビー・バーンズ短篇賞を受賞。2021年発表の『ほんのささやかなこと』(早川書房刊)はニューヨーク・タイムズ紙による「21世紀の100冊」に選ばれ、ブッカー賞、ラスボーンズ・フォリオ賞の最終候補にも選出。また、オーウェル政治小説賞、ケリー・グループ・アイルランド文学賞をそれぞれ受賞した。2024年にはシェイマス・ヒーニー賞の受賞に加え、「偉大なヨーロッパの作家の一人」としてジークフリート・レンツ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

96
アイルランドの田舎村、実家の都合でひと夏を親戚の家で過ごすことになった少女の物語。時代は80年代頃か。青い空からの陽射し、むっとする臭いのそよ風、自然を肌で感じさせる語りに包まれながら、日々戸惑いつつ自らへの意識を認めていくリアルな姿を心に刻んでいった。構って貰えない大家族の場と明確な情愛を注がれる一人っ子の場の違いは彼女を変える。最初はぎこちなかったおじさんの深い愛情とおばさんの純粋で素直なオープンさが自分と他者を慮る心を芽生えさせた。最後の呼び掛けは少年の心が重なったものだろうか。密やかな余韻が残る。2025/12/06

はる

55
とても好みの作品でした。アイルランドの片田舎。大家族の中で暮らす少女は、親戚夫婦の家に預けられることに。そこで少女が経験するのは今までにない優しい世界…。短い物語ですが、心の機微を繊細に描いた文章に引き込まれます。はっきりと描かず、読者の判断に委ねているのがいいんですよね。ラストも胸熱でした。2025/12/25

ヘラジカ

40
とても短い作品なので、折角だから高い評価を受けた映画版と比較しながら読んだ。勿論小説を先に読んでいて、しかも珍しいくらい台詞やストーリーラインが原作に忠実な作品なのに、それでも終盤は思わず涙してしまう程に感動した。原作の持つ寡黙さを再現しながらも、 ”黙して語らない”世界を美しい映像によって拡大している。限られた空間を撮影の舞台としながらもコット(原作では無もなき語り手)は、あの環境に投げ込まれ人生が大きく拓けたことを端正に表現している。どちらもいい作品だが、映画版の方が断然好きだと感じる稀有な例だ。2025/11/04

ベル@bell-zou

27
玄関と郵便箱の間のタイムトライアル。ひと夏の何気ない日々の他愛のないゲーム。それがラストシーンで鮮やかにきらめき駆け抜けていくよう。なぜ少女は預けられることになったのか、この夫婦の背景に一体何があるのか。大人だけが解する事情。多くが語られないことはそのまま少女の立場であり読み手への謎でもある。それが少しずつ明らかになっていくにつれ少女の心も強く育まれていく。キンセラ夫妻へ向けられる好奇と悪意にも揺るがないほどに。観逃してしまった映画『コット、はじまりの夏』原作だったとは。短いながら心に残るであろう物語。2025/12/21

うー (ハクナ・マタタ)

20
出産間際の母の元から離され、いつ家に帰れるのかも分からないまま親戚の家に預けられた少女。互いに多くは語らずとも少女を慈しみ大切に思う親戚夫婦の気持ちは少女に充分伝わり不安な気持ちも消えかけたが…。不憫になる程、聡明な少女。この先、彼女が幸せでありますように。2026/02/08

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