内容説明
ポーランドの歴史はまさに栄光と悲惨にみちている。ショパンやキュリー夫人のような人材を送り出す一方オシヴィエンチム(アウシュヴィッツ)などの悲劇を体験しているのだ。ここにとり上げた人々は、無名の人であれ、華やかに活躍している芸術家であれ、どこかにその「歴史」を宿している。そしてなお独特に心ゆたかである。この本は、時にとまどいながらも、誠実に彼女たちを描いた、人間の記録である。
目次
ワルシャワまで
ワルシャワ・グダニスク駅
ドム・アカデミツキにて
“わさび通り”のマリア
ヨラの場合―花の行方
ポーランドの女性の生活
ザモシチの女たち
くれないのローザ
スタニスワヴァ・プシビシェフスカへの旅
ゾフィア・ポスムィシ―「パサジェルカ」の女主人公
キュリー夫人の末裔
同世代の女性画家―マリア・アント
“工芸”から“芸術”へ―ファイバー・アートの先駆者、マグダレーナ・アヴァカノヴィッチの世界
堅実なる歌姫―バルバラ・ザグジャンカ
ベルリン国立歌劇場の宮廷歌手―イザベラ・ナーベ
女性指揮者、エヴァ・ミフニクのこと―スラブ魂とは?
ポズナニの女性詩人、ウチア・ダニエレフスカ
盲目の詩人ヤドヴィガ・スタンチャコヴァの詩と俳句
マイダネック強制収容所―そして詩人マリア・ユゼファツカ
ユダヤ女の花〔ほか〕