出版社内容情報
関係妄想、誰かの話し声。幻覚も記憶に残る、としたら記憶と幻覚はどうちがうのだろう──。熟練の精神科医が脳・意識・心の織りなす不思議な物語を解きほぐす。
内容説明
本書には、さまざまな幻視、幻聴、幻覚に翻弄される人々が登場する。妄想は薬によって消散してしまうが、現実にはなかったはずの出来事の記憶が、時にありありとよみがえって彼らを苦しめる。それは単なる脳の誤作動なのだろうか?記憶は“私が私である”という意識を支える柱だ。けれども、その記憶が幻覚ではなかったと本当に言い切れるだろうか。同じ出来事の記憶が人によって異なるのだとしたら、記憶とは何だろうか?いったい記憶はどのようにつくられるのか。記憶がいかにして“私”という意識につながるのか。多くの症例を診ながら記憶の謎を問い続けてきた精神科医が、脳・意識・心の織りなす不可思議な物語をときほぐす。
目次
1 私たちは記憶をどのようにつくるか(始まり;感覚―記憶の原材料;メイキング・センス;海馬の話;第六の感覚―隠れた皮質;場所の感覚;時間と継続性の経験;ストレス―思い出すことと“忘れること”)
2 記憶は私たちをどのようにつくるか(自己認知―自伝的記憶の始まり;生命の木―樹枝状成長と刈り込み;自己意識;性ホルモンとムクドリ;変わる人生のナラティブ;虚偽か事実か;いちばん古い記憶)
著者等紹介
オキーン,ヴェロニカ[オキーン,ヴェロニカ] [O’Keane,Veronica]
ダブリン大学トリニティ・カレッジ教授。三〇年以上の臨床経験を有する精神科医。うつ病研究から幼児期の体験が脳に及ぼす影響まで、幅広く研究論文を発表している
渡会圭子[ワタライケイコ]
1963年生まれ。翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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