内容説明
文学とは友愛なのだ。テクストの持つ意味とは、我々に友情を差し出すということなのだ(「バルト諸相」より)―フランス第一級の文人が、日本文化論を基調に紡ぐ馥郁たるエセー集。知の喜びあふれる現代思想入門の書でもある。深い静けさをたたえた透明典雅な文体で、日本を愛した心友ロラン・バルトを追想する哲学的エセーをはじめ、フーコー、ラカン、クローデル、ワーグナー、ドストエフスキー、小津安二郎、三島等をめぐって展開する灼熱の思索。
目次
私のなかの日本
バルト諸相
テクストとしての日本
ミシェル・フーコー
文人ラカン
カミュ、ドストエフスキー、三島
ニヒリストフロベール
小津安二郎の透明と深さ
サドから三島へ
ワーグナー 陶酔の世界
ある哲学者の見た日本
日本註解者クローデル
クローデルと内なる壁