内容説明
1988年大統流選挙。取材旅行をするエリクソンの前に一人の女性が現れる。アメリカの聖人トーマス・ジェファーソンの愛人、サリー。彼女の存在によって現代は歴史の一部になり、アメリカが壮大なスケールで語られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gu
4
1988年のアメリカ大統領選挙を題材にしているが、今読んでもとてつもなく面白い。ノンフィクションでありながら、トマス・ジェファーソンの愛人サリー・ヘミングスが百年以上の時を彷徨い、実在の選挙候補の幻が作家の前に姿を現す。ジェファーソンの光と影、彼の著した〈建国の精神〉の成れの果ての現在が大統領選挙を通して語られる。辛辣な批評家と狂気すれすれの幻視家という二つの顔が渾然一体となったところからエリクソンの文章が生まれるのだとよくわかった。2021/04/24
wagatsuma_songs
0
『リープ・イヤー』は一風変わった政治エッセイだ。エリクソンは、作中で「アメリカ」と「合衆国」を分けて使っている。彼は理念の国アメリカを愛し、無垢を失った「合衆国」を憎んでいる。2024/04/11