内容説明
森茉莉を知らないあなたに、森茉莉を誰よりよく知るあなたに、「書くことに対して天使のように従順だった」一人の作家を伝えるために。手紙魔だった作家に宛てて、48通のラブレター。
目次
春の章 京都・銀月アパートメントからの手紙(あなたを辿るための舞台装置;七色の虹の輝きを部屋に鏤める ほか)
夏の章 カフェからの手紙(好きな本や手紙はカフェで読む;森茉莉時間が過ごせるカフェで ほか)
秋の章 巴里からの手紙(パッパに似た人;毎日が日曜日 ほか)
冬の章 東京からの手紙(長い長い幸福な時代;東京が好き―あなたの浅草 ほか)
著者等紹介
早川茉莉[ハヤカワマリ]
出版社勤務を経てフリーのライター、編集者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あんこ
25
『カフェ通いが高じて自動車の免許をとれない女の子が出てくる映画』が気になる(わたしもです)。確かに超絶一方通行な疑似恋愛的おてがみなのだけど、それはそれで可愛いと思えた。数年前は森茉莉の気取りが苦手だったのに、何故か最近憧れ始めて古本屋で見つける度に美しい装丁の森茉莉本を集めています。2015/11/06
shizuca
9
愛が深い。そしてなんだか気分は昔見た世界名作劇場のヒロインを見ている昔の私。年上のお姉さんが素敵なことをしているのを羨ましくて憧れて眺めてる、そんな気分。森茉莉さんについてあまり明るくなかったけれど、おいてけぼり感はなく、読んでみたいと思える文体。何より気になる銀月アパートメント、払い下げのベッド、次々に登場する食べ物のみもの。ときめく。鴎外が子煩悩というエピソードはとても温かくてじんわりとしみわたります。一番好きなのは、映画館で最前席にて優雅に映画を楽しんだというもの。2017/11/17
タリコ
7
森茉莉への片道書簡型エッセイ。著者の熱い想いが言葉を尽くして綴られている。そのせいか、なんとなく、茉莉さんと茉莉さんの間に入り込む余地が見つけられず、傍観者として読了したのでした。あ、喜多方へ疎開していた頃のエピソードは初出みたいです。2009/07/17
紫陽花
5
森茉莉を愛する作者の森茉莉へあてた手紙たち。好きなもの、好きな人の話をする人の、その愛に溢れた姿が大好きで、会うことのできない森茉莉という人を追いかけ続ける作者がとても健気で愛おしくなった。ひたすら背中を追いかけた結果、巴里にまで飛んでしまう作者のエネルギーと行動力に乾杯!私が尊敬してやまない作家たち、私の好きなアイドル…私が手紙を書いてポストに投函すると相手に届けてくれる。そんな時代に生きていることが特別幸せなことのように感じる。久しぶりに手紙でも書いてみようか。2019/08/10
アルクシ・ガイ
3
森茉莉本のなかでは、これが一番性に合っている。素直な森茉莉礼賛。ペンネームを茉莉にしたのは……まあ、どうかと思うが。
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