出版社内容情報
1987年を最後に長い休筆期間にある、つげ義春。貸本時代の悪戦苦闘、衝撃を与えた「紅い花」「ねじ式」……。過去50年間の発言からマンガ家人生をたどる。
内容説明
マンガ家生活の現実、幻の作品構想、伝説となった名作群、創作の舞台裏、そのすべて!デビュー70周年インタビュー・対談集。
目次
序 読者のことはあまり考えなかった
『ガロ』前後(自伝的マンガ論;手塚治虫からつげ忠男まで(梶井純×つげ義春) ほか)
描かないマンガ家生活(作家の姿勢、作品の行方(菅野修×つげ義春)
「無能の人」と乞食論 ほか)
貸本マンガの頃(いまは夢みたい…(桜井昌一×つげ義春)
長井さんの飾らぬ魅力 ほか)
無に戻る(時代を超えた“リアリティ”とは何か?;私の近況3 夢は見ません。;私の近況4 何も起こらないのです。)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
23
つげ氏の対談をこれでもかと詰め込んだ構成。つげ氏を中心にした対談なので内容も重複していたりする。取り立てて読者に訴えかけるものもなくお金の話(原稿の)もあがっていたり編集者との内輪ネタを遠巻きに眺めていた印象。それなりに厚みもありボリュームもあるけどそれに見合った内容ではなかったと私は感じた。★★★☆☆2024/11/05
阿部義彦
22
つげ義春の過去インタビュー、 対談を2冊にまとめた本の後編が出ました。過去からの拾い集めなので転載許可をとるのも大変だと思いますが、つげさんの場合手塚さんみたく大手(小、講、集、等)には描かずに、貸本漫画そして『ガロ』等インディーズばかりで、筑摩書房から本を出してる方との対談も含んでますので、割とすんなりと行ったのでは?『ひとりでゴロゴロして空想してるのが一番楽しいです、誰にも会わないと寂しいけど、どっちが良いかと比較したら、ひとりでいる方が良い、結果僕は世の中と余り関係無く生きてきてそれが良かった。』2024/07/07
gtn
16
興味のある漫画家は、弟の忠男のみと著者。忠男は、著者に影響されて描き始めたらしい。聞き手が、忠男氏は、娯楽性ばかりを求められた貸本マンガ時代を知らないので、リアリティを求めすぎ。それが、読者にあまり受け入れられないのではと分析。著者は「とっつきにくいのかもしれないね」と述べるにとどまる。単なる身内びいきでないことは伝わる。2024/12/22
Asakura Arata
6
前半は過去の思い出話が多いので、マンガそのものが読みたくなった。後半の蒸発論は圧巻。哲学的で勉強になった。2024/08/12
くり坊
3
一番最後にある「私の近況4 何も起こらないのです(『つげ初期短編傑作短編集』第4巻2003年7月)」という文章に目を通しました。「蒸発」と「旅に出る」のとは違う、ということを、つげ義春さんは、かなり理屈をつけて語っていて、途中、親鸞聖人なんかも引き合いに出したりして「面白い話をする人だな」という印象を受けました。マンガで、つげ義春の作品は未読なので、機会があったら読んでみようと思いました。2024/10/20