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内容説明
フランキー堺・小沢昭一・北村和夫との友情、川島雄三・今村昌平作品の現場の活気、杉村春子の教え、太地喜和子の最期―。戦後の演劇界・映画界を駆け抜けた役者が、江戸弁で豪快に語った芝居人生の軌跡。
目次
第1章 いざ、芝居道
第2章 黒澤映画の洗礼
第3章 杉村春子と文学座の分裂
第4章 生き残り組のつとめ
第5章 役者の引き際
第6章 因果と丈夫
著者等紹介
市川安紀[イチカワアキ]
1971年、神奈川県生まれ。編集者、ライター。慶應義塾大学文学部卒。演劇誌『シアターガイド』編集長を経て、劇場広報誌・演劇プログラムの編集・執筆、各種媒体での俳優・クリエイターインタビューなどを行う。蜷川幸雄演出作品では約三〇本のプログラムを手がけたほか、国内外の古典から現代劇、戦後日本映画まで広く取材対象とし、歌舞伎・文楽なド伝統芸能を支える仕事の取材も続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Fumihiko Kimura
2
俳優の本は活字が声になって耳に届くのが何より面白い。加藤さんの「声」そのままに語られる学友、文学座の内紛、俳優仲間、歌舞伎、監督・・・その内容もさることながら、その先に人間加藤武が「すくっと」立ち昇る。これは著者の手腕。2019/08/25
jinginakineko
1
名優が語る名舞台や名画の裏話は抱腹絶倒の面白さ。舞台本番と映画『どん底』のリハーサルがかち合い衣装のまま撮影現場を逃亡して黒澤明を呆然とさせる話やら、あの北村和夫のあり得ない天然ぶりやら。とはいえ加藤さんの本質を見抜く目はシビア。小沢昭一の舞台を「一人で汗かいて燃えてる」など、この人にしか言えまい。それでも小沢との熱い友情は死ぬまで続いたのだ。 インタビュー中「近頃の若者は」的な目線が一切なく、若い人の忠告にも素直に頷き、常に新鮮な驚きと感動をもって芸術に接しておられるのにも胸を打たれる。稀有な人である。2020/04/21
いちくん
1
キネマ旬報に連載中から拾い読みしていましたが、ようやく単行本化され、一気に読破。聞き書きと言えば、竹中労さんが書いた嵐寛寿郎さんの一代記が非常に有名ですが、この本もそれにひけをとりません。日本映画が華やかなりし頃や、文学座の二度の分裂騒ぎの渦中にいた話などが、面白おかしく語られます。文中でもご本人が話しておられますが、同世代の俳優がみんないなくなる中、丈夫な自分が最後の語り部として伝えるべきことを伝えたいとおっしゃっていたのに、突然おなくなりになるなんて、本当に残念です。2019/11/06