内容説明
「四季の味」連載の小品と、著者自らが体験した留置所の臭いメシ、その顛末を描いた短編「暗い部屋」などを収録。旧制高校や海軍など、青春時代の懐かしく、ほろ苦くも甘美な味、そして人生の老いとともに、食べることがエロスに満ちた行為となってくるさまを、気品ある文章で描いた名品集。
目次
第1部(無頼派と巨匠と;紅萌ゆる;懐しきカイグン;雪の大つごもり)
第2部 暗い部屋―青森水上警察署
著者等紹介
青山光二[アオヤマコウジ]
1913(大正2)年、神戸市生れ。東京大学文学部卒。旧制三高在学中から小説を書きはじめ、東大在学中の’35(昭和10)年、同人誌「海風」を創刊する。織田作之助、太宰治ら無頼派作家と厚い友誼を結んだ。戦後は「近代文学」等に拠って創作活動をつづけ、任侠小説の分野で新境地をひらいた。’80年『闘いの構図』で平林たい子文学賞受賞、2003(平成15)年「吾妹子哀し」で川端康成文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋良
7
た、大正生まれなのに平成のエピソードがある…!そして平成になってもすごいしっかりしてる。大人になってから鶏や豚を初めて食べた人の感想を、私は初めて読んだ気がする。2017/10/09
ぼっせぃー
2
特に味があるというではない、フラットな語り口なんだけど不思議と読ませる。その理由は、本当に収録作「暗い部屋」にあるのかもしれない。 父親が若い頃に通っていた店の名前がふいに上がったりして、少し驚いた。2019/02/07
kouzou
2
歴史上の人物しか出てこないのに、復刻じゃなくて新作なんですね(笑2009/01/24
ふみ
2
織田作之介(字違うかな?)の逸話が面白かった。2008/08/01