出版社内容情報
横浜は戸塚区の原宿の家で、睦家の四姉妹、貞子・夏子・陽子・恵美里はそれぞれの人生模様を生きていく――。平成の日本を浮き彫りにする傑作ホームドラマ。
内容説明
仕事も恋も活発な長女・貞子、体育会系で素直だが男運の悪い次女・夏子、シニカルだけど憎めない文化系の三女・陽子、末っ子にしてその美貌で誰からも愛され自由に生きる恵美里。時は流れ人は変われど、横浜は戸塚区原宿の睦家に集う女たちの絆は変わらない。熟達の筆致で送るお茶の間平成ヒストリー、ここに開幕!
著者等紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年生まれ。小説家。日本大学藝術学部映画学科卒業。会社員を経て、東京・下北沢に本のセレクト・ショップ「フィクショネス」をオープン、2003年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』で作家デビュー。2015年、『世界でいちばん美しい』で第31回織田作之助賞を受賞。その他の著書に『いつか棺桶はやってくる』(第21回三島由紀夫賞候補)、『船に乗れ!』(第7回本屋大賞第7位)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昼寝ねこ
114
一組の夫婦とその四姉妹の物語。昭和末期から令和初めまで約30年間の家族の歴史を数年置きに綴っていく。どこにでもある日本の良き一般家庭のホームドラマだ。家族の一人一人に深刻なドラマはあれど淡々とした語り口で深刻さをあまり感じさせない。その会話ってどうなの?と思う部分はあるが、舞台となっている神奈川県戸塚区原宿の地理がわかるので親近感を持った。物語としての盛り上がりには欠けるが、平成時代の主要事件を網羅しているので平成がリアルだった40代以降の世代なら「あった!あった!」という感じで面白く読めると思う。2024/03/20
みかん🍊
98
タイトル通りの睦家の四姉妹の昭和の終わりから現在までの話、会社勤めをしながらで東京で一人暮らしをする長女、体育会系で男を見る目のない次女、おっとりしている様で鋭く繊細な三女、可愛がられて育った自由な四女、毎年母親の誕生日である1月2日に家族で集まる数年ごとの様子が描かれている、結婚したり離婚したり子供が生まれたり、集まる人数も増えたりたまに減ったり、日本の中流家庭の一般的な家庭という感じだが、今やこんな風に家族が毎年集まってくる事も難しいから時には喧嘩したりしながらも中の良い家族である。2021/03/25
aoringo
92
両親と四姉妹のお正月のひとこま。子供たちが十代二十代の頃から始まり、その中の誰かが結婚し子供が産まれ、成長し賑やかになる実家も時が過ぎ静かになっていく。ある家族の一代記。いつもはそれぞれの生活があるのだろうけど一月二日だけは特別、みんな集まってわいわいする。顔の皺が増えて色々あっても仲の良い家族でお互いを支え合う姉妹たちがうらやましかった。いい家族だな。面白かった。そして作中に私のカラオケの持ち歌の歌詞が出てきて嬉しい笑2022/08/25
いたろう
83
原宿と言っても東京ではない、横浜市戸塚区原宿に住む父母と娘たち、四姉妹の物語。四姉妹というと、「若草物語」や「細雪」などが思い浮かぶが、この四姉妹も、それぞれ個性があっていい。毎年1月2日の母・八重子の誕生日に集まって、集合写真を撮る家族。昭和の終わりの1988年から、令和の初めの2020年まで、2つの大震災など、その時代時代の世相、社会を背景に、写真に写る四姉妹も、結婚、出産など、それぞれに変化があって、家族の姿も変わっていく。最後、40~50代になった四姉妹が、一緒にコンビニに買い物にいく場面がいい。2021/08/09
ゆみねこ
78
睦家の4姉妹、貞子・夏子・陽子・恵美里。昭和の終わりから令和まで、お正月2日の母・八重子の誕生日に実家に集まり記念写真を撮る。姉妹各々個性豊か、結婚や出産・離婚で折々変化があり、やがて親の老いと終活へ。戸塚区原宿の家からUR住宅に。わちゃわちゃと賑やかな睦家の姿が何ともホッコリとして良かった。2022/11/09
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