内容説明
日本文化史上、また仏教思想史上屈指の名著『正法眼蔵』。古来、難解をもって聞こえてきたが、そこでは一体何が語られているのか。その真髄はテクストにある。テクストとは、ただひたすら読み解かれるべきものとして現前する。読むということは、既得の知識を本文に当てはめたり、本文から新たな知識を獲得することではない。逆にあらゆる知識の束縛を打ち破り、そこから抜け出していく行為なのだ。常に世界へ、未来へと開かれている『正法眼蔵』の「七十五巻本」と「十二巻本」の全文を各段落ごとに掲げ、それぞれを精緻に読み解く。本巻は、第三十 看経、第三十一 諸悪莫作、第三十二 伝衣、第三十三 道得、第三十四 仏教、第三十五 神通、第三十六 阿羅漢、第三十七 春秋、第三十八 葛藤、第三十九 嗣書、第四十 栢樹子まで収録。
目次
看経
諸悪莫作
伝衣
道得
仏教
神通
阿羅漢
春秋
葛藤
嗣書
栢樹子
著者等紹介
森本和夫[モリモトカズオ]
1927年奈良県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京大学名誉教授。メルロ=ポンティ、ロラン・バルトなど、フランス現代思想の日本への最初の紹介者。『沈黙の言語』『反西洋と非西洋』など、フランス文学、比較思想関係の著書多数。また、各地のカルチャー・センターで「正法眼蔵」の講読を二十年以上続け、道元関係の著書も多数
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