出版社内容情報
勉強も運動も不得意で目立たないし、学校にも馴染めない。こんな私にも未来はある? 大人になるのが怖い全ての人に向けた青春小説。
中島 たい子[ナカジマ タイコ]
内容説明
運動会、合唱祭、学芸会、遠足、大切な日に限って発作が。おかげで学校にちょっと馴染めない。勉強も運動も不得意だ。こんな私でもおとなになれるかな?悩める中高生におくる青春小説。
著者等紹介
中島たい子[ナカジマタイコ]
東京生まれ。多摩美術大学卒業。放送作家を経て脚本家に。2004年『漢方小説』で、すばる文学賞を受賞。毎回テーマ性の高い題材を扱いながら女性の微妙な気持ちを表現する小説を描き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
89
学校のイベントがあるたびに、ぜんそくの発作で欠席をくり返す。そんな実花の気持ちは複雑だ。ひとことで言うなら、タイトルの通り。小学校での「がっかり」した出来事をていねいに描いて、思春期へと向かっていく。まだ若くても、人生の途上で何が起こるか、本当にわからないものだ。「そのままでいいよ」というのも、いざとなると、なかなか難しいものだ。でもいつかは、きっと何とかなる。148ページの区切りの前に書いてある3行が、きっとクスリになってくれる。「実花ちゃん」と話しながら、みんな「堂々と」生きていけることを祈ろう。2021/08/17
ぶんこ
63
喘息持ちで学校行事を休みがちな実花。好きな事、夢中になれる事がないと悶々としていた小学生時代から、ビートルズの歌に夢中になった中学生時代。登校拒否になった高校生時代。悩みながら、ここぞというところで、二宮先生から偶然に贈られる言葉に立ち直っていきます。二宮先生が素敵なのです。生徒の良い面を見出し、褒めてくれてます。子ども時代にいい先生に巡り会えたのるのは、とても幸せ。大好きな歌詞の「ありのままに」「そのままでいい」の言葉。実花にとっての救いが、今は生徒たちへの救いになっているようでした。2017/04/30
みっこ
61
ぜんそく持ちの実花は、学校行事の前夜に限って発作が起き、参加できないことが多い。休みがちなせいかクラスにもなんとなく馴染めず、『佐野さん』から脱却できない。私には持病はないけれど、小中学校は同じく『なんとなく馴染めない』状態だったから、実花の気持ちがよくわかった。普通に通ってたし、友達もいたんですけどね。学校が楽しくなったのは、高校からだったなぁ。二宮先生が素敵な先生でよかった!中学からの実花の変わりようにはちょっとびっくり。光樹くんの件はただただ悲しい。今学校に行きたくない子供たちに読んで欲しいです。2018/11/14
kei302
60
ティーンズコーナーで見つけた中島たい子さんの作品。サプリメント小説の名手(勝手に命名)中島さん。元気出せと栄養ドリンクを手渡すのではなく、ここに座ってもいいよ と椅子をすすめてくれる中島さん。私も佐野さんと同じく、小中高と虚弱体質で学校をしょっちゅう休んでいたので、がっかりさんの気持ちはよく分かります。私の場合は途中退場が多かったのです。がっかりだよ、まったく。?0年前に出会いたかったよ。2020/08/20
したっぱ店員
53
大事な日にはことごとく喘息の発作が出て学校を休む羽目になる実花。日々がっかりを積み重ねていくけど、進め、進め、そのままで。友人や先生との交流は淡いが、着実に主人公の心に養分として注がれているのがわかる。リアルなエピソードで、おばちゃんな自分もすっと感情移入できるけど、やっぱり等身大の皆さんにぜひ読んでほしいな。2017/10/17
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- 和書
- 数学序説 ちくま学芸文庫