出版社内容情報
ゲーム理論とは人と人とのつながりに根ざした学問である――幅広いトピックを取り上げその本質に迫る、気鋭の研究者による入門書。
内容説明
社会科学を塗り替えつつあるゲーム理論は、「人と人のつながりに根ざした理論」である。環境問題、三国志、恋愛、いじめなど、多様なテーマからその本質に迫る入門書。
目次
序章 恋は駆け引き
第1章 戦略編
第2章 歴史編
第3章 市場編
第4章 社会編
第5章 未来編
著者等紹介
松井彰彦[マツイアキヒコ]
1962年生まれ。東京大学経済学部卒業。ノースウェスタン大学M.E.D.S.にてPh.D.取得。ペンシルバニア大学経済学部助教授、筑波大学社会工学系助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授。エコノメトリック・ソサエティ、フェロー(終身特別会員)。「ゲーム理論の観点から社会現象全体を解釈しようとする研究」により、学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞受賞。国際的な業績を挙げた45歳未満の経済学者に贈られる日本経済学会中原賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
143
読んでいて次はどんな話をするかワクワクしながら読むことが出来た!経済学に興味を持ってどんな書籍がいいか考えていたらこの本を見つけて読んだ。ゲーム理論がどのようなものかを分かりやすく書いたものとなっていて経済学を知らない人が読んでも理解することが出来る。この本に出てくる話で考えさせられるものがあった。それはいじめの問題である。いじめでなぜ起きるのかをゲーム理論を元に説明していた。いじめられる側に問題があるのではなくいじめる側の歪んだものの見方に問題がある。真実はみんなの意見で出来る。的を得た答えだと思った!2020/09/07
Aya Murakami
93
図書館本 なるほど…ゲーム理論というのは4コマっぽい図であらわされる形式だけでなくて樹形図みたいになっている形式のものもあるのか。 ゲーム理論以上に市場のルールというか他人の考えを読む訓練って学校生活や授業でまったく教えられていないですね。ひたすら弱い人間を抑え込むことだけを教えられているというか…。2022/04/08
コウメ
51
「チキン・ゲーム」「ゼロサム・ゲーム」「囚人のジレンマ」「強調ゲーム」など面白いものばっかり、個人的には背水の陣や天下三分の計をモデルとして説明したやつはとくに深かった。でも最初と最後に著者の恋愛はゲーム理論をもっても解けないと言っていたのはꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ2019/09/18
おさむ
36
恥ずかしながらゲーム理論とはなにかを、この本で初めて知りました。社会における人間関係や、社会そのものを分析する学問なんですね。食わず嫌いでした。ゼロサムゲームやチキンゲーム、囚人のジレンマ等、どこかで聞いたキーワードの理解も進みます。高校生向けなので、数式はほとんどなく、たとえ話やイラストが中心です。哲学的な要素もあり、色々と考えさせられました。2019/06/21
Y2K☮
32
囚人のジレンマや天下三分の計、サッカーのPKなどに関する件は興味深かった。だがゲーム理論で読み解くのが些か強引と映ったり、半ば違う話にすり替わっていたりというページも少なからず。たとえばいじめの発生するメカニズムを論理的に解き明かした所でいじめはなくならない。なぜなら人間は自公にとって常に有益で正しい行動だけを選び取る生物ではないからだ。温暖化の話にしてもそうで、我々庶民は目先の生活の楽しみを追い求めるだけで精一杯。何十年後とか地球がどうのなんてのは正直二の次。勿論熱意は伝わった。もう少し勉強してみよう。2018/11/20