内容説明
昭和は悲惨な戦争にあけくれた時代だった。本書は、戦争の本質やその内実をさぐりながら、私たち日本人の国民性を知り、歴史から学ぶことの必要性を問いかける。
目次
第1章 大正から昭和の軍国主義への道―戦争への道をどう進んだか(第一次世界大戦から昭和へ;満州事変という名の戦争;戦争を支える意識はどうつくられたか)
第2章 日中戦争から太平洋戦争へ―戦争を行う体制はどうつくられたか(二・二六事件以後の戦争への道;宣戦布告なき戦争)
第3章 戦争目的のなかった戦争―戦争はどのように戦われたか(真珠湾攻撃という選択;太平洋戦争をどう考えるか)
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年北海道札幌市生まれ。ノンフィクション作家・評論家。同志社大学文学部社会学科卒業。日本近代史、とくに昭和史の実証的研究を志し、各種の事件関係者の取材をとおして、歴史の中に埋もれた事件・人物のルポルタージュを書く。個人誌「昭和史講座」(年2回刊)を中心とする一連の昭和史研究で菊池寛賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
30
軍部の酷い状態がよく伝わるように書かれています。戦略的思考がなく国家を運営していく恐ろしさを感じます。軍部のみならず、政治家や官僚、知識人、華族たちも同様であると思いますので、民族的欠陥かも知れないです。歴史を繰り返さないために何をしていくのかを考えます。2024/01/04
AnmitsuK (うろ覚えムーミン)
3
誰しも、「戦争はイケナイ」と学校で教わる。しかし、本書に記されてるような、戦争とはどのようなものか、そして日本はどのような戦争をしたのか、そういった具体的なこともセットにして教わらないと、「戦争はイケナイ」という理想論を、リアリティを伴った実感として受け入れることはできないのではないか(実際、戦後のそういう「戦争観無き平和教育」の反動から、ネトウヨみたいなのが生まれてきてるわけだし)。本書は、そんな学校教育に足りていない「戦争とは何なのか」という要素を補ってくれる、良テキストだと思う。2013/12/22
大先生
2
基本的に全てにおいて日本が悪かったという、従来通りの認識で書かれた本ですが、日本が日支事変・太平洋戦争に進んでいく過程をコンパクトに整理した本として、なかなかの良書だと思います。今更ながらが勉強になりました。とはいえ、自虐史観に偏っていることは否めず、南京事件に関する部分など意見が分かれる部分については両論併記すべきだったと思います。侵略戦争か否かという問題についても、防衛の意思と攻撃・侵略の意思が併存することはあり得るはずです。余談ですが、刑法の解釈で、結果無価値論では正当防衛に防衛の意思は不要です。2020/05/21
めるこ
1
学校の歴史の授業では、近代史は足早に終わってしまっていたけれど、今でもそうなんでしょうか?というわけで、若い人ではないけれど読んでよかったです。 男社会って危うい。2015/06/28
ariiiia
1
#book 戦争や歴史というものを知らずに、勝手な苦手意識で興味を持てずにきたけど、いざ本を読もうとすると本当の情報なのか論拠は何なのかを問い出すと私なんかは混乱してしまう。歴史、というものを知り自分で考えなければならないのだが、やはり洗脳というかそういうものもあるから難しい。いろいろ読んでいきたい。この本は小林よしのり氏の本の後だったから何をどう判断してよいものか...混乱。2010/06/29