出版社内容情報
犯罪から食欲、記憶から感情までを扱い、生理的仕組みを解明し日常的な行動の改良を目指す――。深くて広い心理学の多様な世界を講義形式で紙上体験する入門書。
内容説明
犯罪から食欲、記憶から感情までを扱い、生理的仕組みを解明し日常的な行動の改良を目指す―。ひと口に心の学問というけれど、その世界は深くて広い。講義形式で心理学を体験できる入門書。
目次
第1章 認知心理学―「記憶」という不思議なしくみ
第2章 臨床心理学―不安や恐怖はどこから来るのか?
第3章 感情心理学―表情は嘘をつくか?
第4章 犯罪心理学―「普通の人」が暴力をふるう時
第5章 生理心理学―「脳内報酬」の強烈さ
第6章 行動分析学―「やる気」は存在しない
第7章 食行動の心理学―食欲とおいしさは何で決まるか
おわりに―紙上体験からリアルな心理学部へ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
110
心理学の勉強とは何かを紹介するために、認知心理学、臨床心理学、感情心理学、犯罪心理学、生理心理学、行動分析学、食行動の心理学の7つの講義科目の模擬授業が掲載されている。記憶のメカニズム、表情の成り立ちなど興味深い話題だが、ほんのサワリだけなので、この学問の本質には到達しない。そもそも、私には、心理学が「科学」としての客観的凝視に堪えるものかどうかがわからない。もっと言えば、それが「学問」であるかさえわからない。「ようこそ、心理学部へ」と言うのなら、学問としての意味を説明してもらえたらよかったのにと感じる。2022/04/22
ehirano1
88
ちくまプリマーの企画は結構度肝を抜くことがあります。本書も将にその1つでした。とにかく楽しい。特に、行動分析学については大変興味を持ちました。大学通う時間は今はないけど、行動分析学はビジネスだけではなく人生においても有用な学問だと思いましたし、何よりそのコンセプトがとても好きです。2022/08/14
けんとまん1007
59
読み始めてすぐに思った。ここで学びたい。とにかく、面白く興味深い。心理学に関連する分野が多岐にわたるのは、ある程度、既知のことではあったが、それ以上の多様さがいいと思う。研究と実践、そして分析。統合することで、見えてくるものがある。はるか昔、学生の頃、同じ学部の心理学専攻の人たちの研究の被検者になったことを想い出した。その時から、こころのどこかに棲み続けているのが、ここだったのかもしれない。2022/09/01
ハルト
11
読了:◎ 認知心理学、臨床心理学、感情心理学、犯罪心理学、生理心理学、行動分析学、食行動の心理学の以上、七つの心理学を学べる、講義仕立ての心理学入門書。どの章も、簡潔にさらりとそれぞれの心理学分野に触れており、読み物としてよい塩梅だった。中でも興味を持ったのは、感情心理学、行動分析学、食行動の心理学で、感情、行動の有無により、それらがどのように人から分析され、人に影響を与えるのかが気になった。そして「おわりに」にあった、さまざまな心理学の数々には驚いた。人間の行動や心理にはどれほど謎が多いのか、唸らされた2022/05/06
タバサ
7
同志社大学心理学部の先生たちが、それぞれの専門分野を講義形式で解説してくれる本です。 心理学、各分野の美味しいさわりの部分なので、高校生でなくても 興味深いですし、学んでみたくなります。人が悪になる条件、習慣付けの方法、食事と見た目、記憶の関係など、ガッテンしてしまいます。大学も、このような本を出していただけると大学の学問というものがどのようなものか、入る前に分かっていいと思います。最終章が率直で好感が持てます。2022/09/02