出版社内容情報
時に不祥事やミスなどから批判の対象になる公務員だが、地道に社会を支えつつ同時に変化を促す素晴らしい仕事だ。豊富な経験を元に、その醍醐味を伝える。
内容説明
公務員はやりがいのあるいい仕事だ。一見地味ではあるが、長い目で見れば、人の意識を変え、社会全体を変革する。その醍醐味を、豊富な経験をもとに紹介する。
目次
第1章 公務員の務めと求められる力(国家公務員と地方公務員の違い;企業と役所の違い ほか)
第2章 公務員の仕事1―新しい法律や制度をつくる(新しい法律をつくる;予算の手当てをする)
第3章 公務員の仕事2―大きな課題にリレー方式でチャレンジする(男女平等を進める歩み;障害者の完全参加に取り組む)
第4章 公務員の働き方(二年ごとの異動;出向で視野を広げる ほか)
第5章 これからの公務員(外の世界に出てみる;公務員が減る中で ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
69
ご自身の経験から、公務員の業務や存在意義についてわかりやすく書いていらっしゃる。わたしは特に男女雇用機会均等法の改正や障碍者雇用の法案に村木さんが携わっていたことを知れたのがよかった。どちらもまだまだ課題のある内容だとは思うが、重い扉が閉まったままか、隙間から少しでも光が射しているかの違いは大きい。政治に絶望している方も多いのだろうけれど、こんな形で世の中にアプローチできるのは素直にうらやましい。村木さんのマインドを引き継いでくださる方がひとりでも増えることを祈る。2022/03/08
いたろう
62
この本は、これから社会に出る若い人向けに、公務員(特にキャリア官僚)の仕事がどういうものかを書いた本だが、社会人が読んでも、国家公務員の仕事振りが分かって興味深い。今まで、官僚はそれぞれ専門分野を持ち、プロフェッショナルとして、長年、継続して同じ問題を扱っていると思っていたが、平均して2年ごとに異動となり、全く関係ない部署に行くことも多いということを初めて知った。そして、かつて育児休業法ができた時、それを作った労働省(当時)ですら、まさかキャリアなのに育児休業を取るつもりでは?という雰囲気だったとは(笑)2020/09/27
kei-zu
28
生活困窮者自立支援法や、子ども子育て関連三法、男女雇用機会均等法などの成立や改正の舞台裏が興味深い。 著者ご自身、郵便不正事件で冤罪に巻き込まれ大変なご苦労をされたはずだが、公務に対する責任と矜持を書かれる姿勢には、居住まいを正させられる。 ただし、本書は厳しいばかりではない。どのように仲間と仕事をしていくかについて励まされる。2020/09/04
ひでき
16
「公務員」といっても、本書は「国家公務員(キャリア官僚)」について書かれた本である。 ちくまプリマー新書から出されただけあって、内容は平易なものとなっており、個人的にはやや物足りなさを感じる。 本人の経験から公務員の仕事を語るものになっているが、そこからは真摯に仕事に取り組む姿勢がうかがえた。とても前向きな記述が多く、さすがは事務次官まで上り詰めた方だと感服させられた。2020/09/03
まゆまゆ
15
これから公務員を目指す人向けに書かれた、公務員の仕事、主に厚労省官僚の醍醐味を語る内容。公務員に限らず本気で仕事に取り組めるかどうかは、自分の仕事が誰かの役にたっていると思えること、楽しく働けること、その仕事によって自分が成長できるか、の3点。公務員はニーズの翻訳家になるべき、というのは共感できる。2021/01/28