内容説明
タゴールは1920年にアメリカを訪問した折、富への飽くなき追及が人間性を蝕んでいく様を見て心を痛めた。その反動から、幼な子の世界の真理を「ボラナト(シヴァ神の別名)」の無欲でこだわりのない姿に託し、詩集「幼な子ボラナト」は書き上げられた。タゴールはすでに百年前から、物質文明の果てなき欲望が、自然破壊や人間性喪失をもたらすことになると警鐘を鳴らしていたのである。
目次
ヤシの木
月の媼
日曜日
時間がなくなる
思い出す
こわれた人形
文盲
七つの海の岸辺へ
天文学者
遊びを忘れる
道に迷う
疑い深い
王さまと王妃さま
遠方
バウル(吟遊詩人)
いたずら好きな
イッチャモティ川
誰かのお母さん
不幸な王妃さま
石工
眠りの真相
二人のぼく
この世に住む人
言葉のやりとり
雨と太陽
幼な子ボラナト
幼な子の人生
著者等紹介
タゴール,ラビンドラナート[タゴール,ラビンドラナート] [Tagore,Rabindranath]
1861‐1941。インドの詩聖。文学、哲学、教育、音楽、絵画など多方面で数多くの業績を残す。1913年詩集「ギタンジャリ」によりアジアで最初のノーベル文学賞を受賞。多彩な創作の中で最上のものは歌であると自ら述べているように、作詩作曲の歌は2000曲に及ぶ
神戸朋子[カンベトモコ]
東京都生まれ。1976~77年インド西ベンガル州のVisva‐Bharati大学においてベンガル語を学ぶ。当地にてタゴール歌曲と出会い、タゴールの直弟子Sri Santidev Ghoshに師事。歌詩翻訳を続ける一方、1983、87、90年Santiniketanにて、85、89、90年Kolkataにてタゴール歌曲のリサイタルを開催。日本においては1983~2009年まで毎年1回リサイタルを開催。タゴール歌曲の紹介に務める
神戸留美子[カンベルミコ]
1971年東京学芸大学美術科卒。80年西宮大谷記念絵本原画展入選「河」、90年日仏現代美術展入選、2015年イルフ美術館童画展入選、新美南吉記念館原画展入選など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007