内容説明
「宇宙に果てはあるのか」「広大な宇宙の片隅に住む私たちとは何者なのだろう」―誰もが一度はとらえられるこうした問題。プラトンもカントもウィトゲンシュタインも、その哲学の原点は宇宙への問いだった。宇宙を切り口に学ぶ、いちばんやさしい哲学入門。
目次
第1章 人間にとって宇宙とは何だろうか?―古代ギリシアの哲学の誕生(世界中の古代文明で生み出された「星座」;夜空の星座と惑星系のシステム;哲学の誕生 ほか)
第2章 宇宙に果てはあるのか?―「天空」と「道徳法則」への近代哲学の問い(西洋近代の世界観;近代哲学の完成者、カントの登場;近代に生まれた「人間」観 ほか)
第3章 宇宙人は「知性」をもつのか?―現代哲学の挑戦(ビッグバン宇宙論と地球外知的生命体;宇宙像の二度目の転換;カントの証明は間違いだったのか? ほか)
著者等紹介
伊藤邦武[イトウクニタケ]
1949年神奈川県生まれ。哲学者。京都大学大学院博士課程修了。85年『パースのプラグマティズム』により文学博士。現在、京都大学名誉教授、龍谷大学文学部教授。2011年紫綬褒章受章、2018年日本学士院会員に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サワ
16
私にとって宇宙というのは、科学の対象でも哲学の対象でもないですが…この2つの視点から捉えた人類史や知的生命体というのはなるほど面白いです。しかも読みやすい。宇宙は有限か、無限か…突き詰めても判別しない不毛な企てや無謀な試みへの欲求に対して私が出来るのは、このような事柄とは手を切ることくらいでしょうか。2022/01/20
かもすぱ
7
タイトル通りのことを考えていた。自分の存在する世界のことを考えると哲学になってしまう。1章と2章では世界とは宇宙とは何か、宇宙の果てとは何かについて、ギリシャ哲学からカントまで持ち出してぐりぐりごりごり。面白かったのは3章の”宇宙人は「知性」を持つか”。人類の積み重ねてきた“科学”(すなわち知性)は、全宇宙的に見て本当に普遍的なのか?ほとんどあらゆる可能性を内包する宇宙でほとんどあらゆる知性のありかたを人間は認識できるのだろうか...?終盤の殴りつけられるようなインパクトが自分は好き。2019/11/13
くまくま
6
タイトルを見てなぜ宇宙と哲学と思ったが、ギリシア哲学者がこの世界は何でできてるかを考えたり、哲学から科学や数学が生まれたことを鑑みると納得できる。哲学から科学へ向かった思考が、現代では科学の発展により哲学、倫理学へ向かう動きがあるということで、宇宙とは何かという問いは文理で分けられない。人類の永遠のテーマの1つである問いは今後どのような道をたどるのだろう。2019/08/25
乱読家 護る会支持!
5
「宇宙はどうしてこんなに美しいのか?」 「宇宙は有限か?無限か?」 「宇宙人が知性をもつかどうか、どうしてわかるのか?」 タイトルからは、宇宙に対する哲学的考察を期待していたが、、、 本書は哲学の入門者として、哲学者が宇宙の謎にどう向き合ってきたかが書かれてあります。 うーん、ちょっと騙された感、、、あり。2019/12/28
nnnともろー
5
宇宙から考える哲学入門。人類の思考や科学は地球を越えて宇宙規模で普遍性があるのか?マクロとミクロ。面白い。2019/10/18