出版社内容情報
自立のための様々な依存先を提供しうる市場という頼れる存在。市場をゲーム理論で読み解きながらそのあり方・可能性を考えてみる。自立のための様々な依存先を提供しうる市場という頼れる存在。市場をゲーム理論で読み解きながらそのあり方・可能性を考えてみる。
松井 彰彦[マツイ アキヒコ]
著・文・その他
内容説明
自立するために、多くの依存先を持とう!さまざまな依存先を提供しうる市場という頼れる存在。市場の原理をゲーム理論で読み解きながらそのあり方・可能性を考える。
目次
依存先を増やせ
第1部 市場とは何だろうか(共同体と市場;広がる市場―グローバル市場;政府も市場のプレイヤー;市場の失敗を克服する;市場を守る)
第2部 みんなのための市場(「ふつう」の人のための市場;市場は差別を助長するか;自立と市場;みんなを輝かせる市場)
著者等紹介
松井彰彦[マツイアキヒコ]
1962年生まれ。東京大学経済学部卒業。ノースウェスタン大学M.E.D.S.にてPh.D.取得。ペンシルバニア大学経済学部助教授、筑波大学社会工学系助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授。エコノメトリック・ソサエティ、フェロー(終身特別会員)。「ゲーム理論の観点から社会現象全体を解釈しようとする研究」により、学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞受賞。国際的な業績を挙げた45歳未満の経済学者に贈られる日本経済学会中原賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
55
[ノート」自立するためには依存先を増やす必要がある。恋愛なら彼女彼氏だけなら重い人と思われてしまう。現在の市場経済において生きずらいと感じる人は多い!!子供は特に選択肢が少なく学校や家庭に適応できなければ逃げ道がない。大人も例外的ではなく、その生づらさ、息苦しさは多様な依存先が確保できていないからだと著者は主張!!/SMAPや小林幸子の例、二つに共通するのは、解散や芸能界から干されていること。テレビという市場だけなら苦労する二つの例もインターネットの新たな市場を利用して活躍している。2019/09/23
hk
17
■備忘雑感■ 『市場の原理によって差別が是正される論理構成』 ①黒人労働者と白人労働者の生産性が甲乙つけがたいと仮定 ②差別主義者の経営者たちは白人だけを雇おうとするため、賃金に上昇バイアスがかかる(労働力の供給量を自ら狭めるからね)。だから人件費が重石になって経営が圧迫される ③差別をしない経営者は黒人も雇うため人件費が安く上がり、経営に余裕が生まれる。 ④結果、差別をしない経営者が率いる企業が生き残る ⑤それを見て差別をしない方が得策だというコンセンサスが経営者たちに生まれる 2018/08/09
ヒナコ
11
ゲーム理論を研究している経済学者が、中高生向けにミクロ経済学を解説した概説本。第一部は教科書的なミクロ経済学の解説を、第二部本書のタイトルにもなっているような「自立と依存」についての解説になっている。→ 2024/05/13
月をみるもの
11
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」2019/08/10
塩崎ツトム
9
市場というものが、雲のようなつかみどころのないものでははなく、ゲーム理論の登場で、無数の分割不可能な「個人」のやり取りのモザイクという風に理解・研究されるようになったのか。なるほど。経済も個々人の実存から、目を背けるわけにはいかないらしい。2018/10/10