ちくま学芸文庫<br> ナチズムの記憶―日常生活からみた第三帝国

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ちくま学芸文庫
ナチズムの記憶―日常生活からみた第三帝国

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480512352
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0122

出版社内容情報

普通の人びとはナチズムをどのように受け止めたか。とある農村と炭鉱町での証言から、平凡な日常生活がナチ体制に組み込まれていく様をあぶりだす。

内容説明

第三帝国といえば、ゲシュタポの監視のもと恐怖と暴力で国民を支配したイメージがある。しかし、当時を回想する住民証言から現れるのは、ナチズムへの不満や批判ではなく、むしろ正反対の「ナチスの時代はよい時代だった」という記憶だ。ごく平凡な普通の人びとが、ナチズムとは一定の距離をおきながらも、非政治的領域のルートを通じ、政策を支持するようになる。農村ケルレと炭鉱町ホーホラルマルクという、二つの地域での詳細なインタヴュー資料を中心に、子どもや女性までもが、徐々にナチ体制に統合されていった道程をあばきだし、現代のわれわれにも警鐘を鳴らす一冊。

目次

第1章 褐色の農村と赤い炭鉱町(褐色の農村―ケルレ村;すっきりしない状況の成立;赤い炭鉱―ホーホラルマルク;悪い時代のはじまり)
第2章 ヒトラーが政権についたとき(ナチスは外からやってきた;全体としては、がまんできた;たいしたことはなく、なにもおきなかった;もう他人を信用できなくなった)
第3章 民族共同体の夢と現実(記憶に残らない不満と批判;いい時代だった;行ったこともない旅行の記憶;たいていの家でもめごとがおきた;ハンチングはタブーだった)
第4章 ユダヤ人、戦争、外国人労働者(内に向けて発動される人種主義;もったいないという反応;戦争さえなければよかったのに;いまでもそのことを恥ずかしく思う)

著者等紹介

山本秀行[ヤマモトヒデユキ]
1945年神奈川県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。東京大学大学院修士課程修了、同大学助手。ハンブルク大学留学、お茶の水女子大学講師、同助教授、同教授。こども教育宝仙大学学長を経て、お茶の水女子大名誉教授。専門は、西洋近現代史、ドイツ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

marty@もぶおん学

8
農村と炭鉱街の住民たち、いわゆる「普通の人々」がナチズムをどのように受け止め、ナチスの時代をいかに生きたのか解き明かされる。農村には馬農家-牛農家-山羊農家という階層秩序を前提とした村社会独特の掟のようなものがあり、炭鉱街には鉱夫たち同士の連帯感がある一方で彼らを管理する職員との間には厳然とした上下関係が存在しており、農村も炭鉱街もその共同体の文脈の中でナチズムが住民たちにある意味したたかに利用されている点が興味深かった。本書の対象外であるカトリックが強い地域、自由主義的な都市などの事例も知りたいところ。2024/06/23

Hiroshi

5
親ナチ的な村としてヘッセン州北部のケルレ村、反ナチ的な自治体としてルール工業地帯にある炭鉱町のホーホラルマルクを選び、それぞれの住民がナチズムをどのように受け止めどのように対応していたのか、ナチスの政権獲得から第2次大戦の終わりまでの日常生活を観察することで分析した本。親ナチ・反ナチの比較よりも日本との比較で驚くことがある。ドイツでは30年代後半をよき時代と認識している人が多いのだ。長い絶望と幻滅の時代が終わり、未来への希望と信念が生まれてきた時代だと。ナチというとゲシュタポがいて、厳しい統治と思われる。2024/12/05

よしくん

5
ナチ支配の実態を農村と炭鉱でのインタビューをもとに解き明かす試み。僕が強く感じたのは村が平穏な秩序を維持しようとする「村の論理」のしぶとさだ。必要ならナチに協力も反発もする。中央の政治とは全く違う論理が働く。農村にある30年前の母の実家と似ていた。家同士の関係は江戸時代の関係が温存されていたり、祖父は「あそこの家はアカだから」とかボロクソ言いつつもお付き合いは欠かさない、政治と付き合いは全く別物って価値観がそっくりだ。中学生なりに、学校で習った民主主義と農村の実態の乖離にショックを受けた日を思い出した。2024/09/24

ポルターガイスト

4
戦後神話を日常から解体する試みのナチスドイツ版。『この世界の片隅に』系。テンポがのんびりしており,個人的にはそんなに刺激を強く受けたわけではなかったが,興味深く読めた。歴史関連の仕事をする人間としてはこういうのを一度は読んでおきたい。2024/10/20

こうず

3
ナチスといったら全体主義だから、巧みな宣伝や暴力による威嚇で国民を強力に統制していた印象が強い。だが本書はドイツ国内にあった農村と炭鉱町という二つの土地を例に取り、全体主義社会に対する国家権力の一元支配というイメージを覆す。ナチス台頭以前から共同体ごとの秩序や権力構造があり、そこに入り込んできたナチスを人々は時には利用し、また様々な方便を駆使して当局の規制をかいくぐり距離感を保ってきた。それは地元で出会うナチスの尖兵たちでさえ実際には同郷の人々であるがゆえの処世術に他ならなかった。2024/05/03

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