出版社内容情報
日本ハードボイルドの第一人者による1980年代に流行するサイコサスペンスの先駆的な作品群をまとめたクールとユーモアが共存する異色短篇集。
内容説明
生島治郎は、早川書房の編集者として日本版「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」や「異色作家短篇集」などに携わった。作家転身後、日本のハードボイルド小説の第一人者として活躍。本書は、クールとユーモアが共存する変幻自在な語り口で、1980年代に流行するサイコサスペンスの先駆的な作品群をまとめた怪奇・幻想・奇妙な味の短篇集。旧版の11作に6作を加え大幅な増補をおこなう。
著者等紹介
生島治郎[イクシマジロウ]
1933‐2003年。上海生まれ。終戦間近、長崎に引き揚げ、長崎から金沢、横浜へと移る。早稲田大学英文科を卒業し、デザイン事務所勤務を経て、1956年早川書房に入社。日本版「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」創刊に携わり、第二代編集長を務める。退社後の1964年に『傷痕の街』を刊行し作家デビュー。1967年『追いつめる』で第57回直木賞受賞。日本の正統派ハードボイルドの第一人者として、ミステリを中心に多数の作品を発表する。1989年から1993年まで日本推理作家協会理事長を務めた
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年、神奈川県生まれ。SF・ミステリ評論家、アンソロジスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
15
短編集。昭和の時代の奇妙な味をたっぷり楽しむことができました。時代を感じる描写は多々あるけれど、それこそが味になっている印象です。2025/02/04
ちゃんぷる
2
解説から言葉を借りると「奇妙な味」のする短編集。初読み(どころか初めて知った)作家さんでしたが、なるほど昭和のハードボイルドなのか。言われてみれば台詞回しが芝居がかってた気もします。作品としてはどれも面白かったですし、なにより時代の空気みたいなものが感じられるのがよかった。そして確実にギャンブル好きなんだろうな、とも(笑)作品としては…と思って目次みたらタイトルでどれも覚えてるのでどれも結構面白かったなと改めて。「冷たいのがお好き」「ぶうら、ぶら」あたりが特に印象残ってます。2025/06/16
kanamori
1
☆☆☆2025/02/05
SATAN'S TOY
1
生島治郎といえば当然「黄土の奔流」「追いつめる」なんだけど奇妙な味路線の短編も好き。「あなたに悪夢を」に比べると比較的まとまりのよい短編ミステリ集だが、やはりどこか心もとない不思議な感覚は氏の長編では味わえないタイプである。2024/12/23
oddmass
1
切れ味鋭くてよかった2024/12/11