出版社内容情報
人間はなぜ忘れるのだろう? 忘却にはどんな意味があるのだろう? 人間が人間であることの意味を深く見つめる哲学エッセイの名著。解説 若松英輔
内容説明
「カラダは私の宇宙のブラック・ホールかもしれない。ブラック・ホールは光より速い速度で万物をひきよせているから見えないのだそうだ。言葉以上の速さで思考が突入する地点、それがカラダであり、思考の言葉にとってそれはナイというほかない。」人間はなぜ忘れるのだろう?“忘れ現象”に独自の光を当てて、人間が人間であることの意味を深く見つめる哲学エッセイの名著。
目次
序章 記憶のヒキダシ型とマリモ型
1(記憶とブラック・ホール;刷りこみ ほか)
2(カラダがおぼえる;洒脱な病人 ほか)
3(熱湯好き;丈夫すぎるのもよくない ほか)
終章 あるかなきかの煙
著者等紹介
戸井田道三[トイダミチゾウ]
1909‐88東京都生まれ。早稲田大学卒業。天皇制と能楽の関係を説いた『能芸論』を上梓、民俗学、人類学を援用した能や狂言の考察で知られた。1954年より毎日新聞の能評を担当、のち映画評もおこなった。著書に『きものの思想』(第17回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
ヒキダシ型 マリモ型記憶 忘れても差し支えないこと 言語以前の記憶 アナロジーの力 記憶の断片 夢の中 社会的記憶 あいまいさの肯定 文化と季節感 風景の原型 言葉の多様な解釈 身体性の記憶 無心の位 忘却の肯定 生の自己防衛 サトリ 天狗 忘れの象徴 仮面の力 人格変容 領域意識 シマ 記憶の錯誤 社会的健忘症 世代間の記憶のずれ 家の記憶 無意識の伝承 儀式による記憶伝承 文字信仰 口伝の力 抑圧された記憶 夢 道具の原型 影押し 無意識の影響 夢も歴史のうち 思ひ出は身に残る2025/04/20