出版社内容情報
「景気調査」で食って食って食いまくれ! 銀座を起点に東西南北、日本の果てまで……1970年代を疾走する怒涛の食レポ紀行。解説 福澤徹三
内容説明
時は1970年代・昭和の頃、“相対的景気調査官”なる珍奇な役職に就かされた一人の男が官庁にいた。彼の任務は全国各地津々浦々の名物グルメを食って食って食いまくり、大衆の食が景気にもたらす影響等々を報告すること…。「新しい御馳走の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」絶品・珍品勢ぞろい、疾風怒涛の美味探求。究極の食レポ紀行小説!
著者等紹介
開高健[カイコウタケシ]
1930年、大阪生まれ。大阪市立大学を卒業後、壽屋宣伝部(現サントリー)にてコピーライターとして活躍。同時に創作を続け、57年『パニック』でデビュー。58年『裸の王様』で芥川賞、ベトナム戦争現地へ赴いた経験に基づく『輝ける闇』で68年に毎日出版文化賞、79年『玉、砕ける』で川端康成文学賞、81年に一連のルポルタージュ文学について菊池寛賞を受賞。ほか代表作・受賞歴多数。89年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドラマチックガス
13
大蔵省の役人が上司命令で予算を消化するために美食の限りを尽くす。という変なお話。実在のお店がたくさん出てくるグルメ小説だけれどほとんど食欲がわかない稀有な本。別の開高健作品を読んだときにも思ったように、「臭さ」の描写が本当にうまいと思う。そんななか、北海道に住んでいるのに知らなかったカジカの味噌汁は食べてみたい。高度経済成長が終わった直後の公害描写、社会の格差、官僚制批判とグルメ批判など、さすが開高健。どて焼き屋の、羽振りの良かった連中が落ちて落ちてこの店に来るから不景気のおかげで大繁盛という言葉がよい。2024/08/09
misui
2
開高健って初めて読んだけどこんなに面白いんだ。2024/07/02
らむし
1
日本には様々な食文化があったが、現在では観光に使われて本物の店はかなり少ないと思った。時代の発展は食文化を壊すのだろうか?2024/05/25
Hiroyuki Ito
0
食レポとはかくあるべし!
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