出版社内容情報
大竹 伸朗[オオタケ シンロウ]
著・文・その他
内容説明
エネルギッシュに創作し続ける画家・大竹伸朗。創作に駆り立てる衝動とは何か?東京都現代美術館での大規模回顧展「全景1955‐2006」、18歳のときに働いた北海道別海の牧場での個展、瀬戸内直島の銭湯など個性的な展示の続く日々。それらに向けての軌跡を描くエッセイ。原点と現在を繋ぐ書き下ろし「絵ビートの轍」、新作木炭線画30点を収録。
目次
遠景―記憶と創造(等身大ポパイ;五歳の春;絵の根っこ;時の印刷;鉛筆の遠吠え;斑模様の遠近法;ブタの教え;黒の盤景;マナ板の記憶;ミッシェルの行方;三十万万の円と縁;デジタルと虫メガネ;スケッチブックの無意識;トランスうどん玉エクスプレス;海うみどうと8ミリの記憶;黒と白の時間;絵とアメリカ;ゴッホと月兎耳;雑食ミラーボール)
全景(宿無し空;牛男の思い;絵の重力;女神の自由;原野の個展;蹴景;豚汁と絵とセントバーナード;赤い理不尽;青い理不尽;ナニモナイ地平線;誤解虫;見えない絵;絵の中の更地;コラージュ球)
近景―日常と創造(未だここにないもの;骨まで愛して;シャカシャカバンバン;オジさんの瞳;竹輪娘の瞳;高野山のミシン針;スズメバチとデュシャン;トースト絵画;ウォーホル夫人;洞窟のイチロー;ダ・ヴィンチとバターナイフ;地図のにおい;路上の鉛筆;写真ゾンビの逆襲;ペーストされた時間;見えない秘宝;消動と衝動;四文字の狼火;F型の衝動;絵時間;距離とチャリ;宇和島空港商店街
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
16
ちくま文庫8月の新刊。現代芸術には興味があるのに、大竹伸朗さんとは何故かあまり接点がなくて名前も間違ってのぶろうだと思っていた始末。(本当はしんろう)ただ描いた独特のタイポグラフィーをみて、あーあの方か!と納得しました。芸大入試に失敗して、武蔵野芸大に入ったら直ぐに休学して、北海道の牧場に働き行った変わり者で、その後大学に戻ると再びロンドンに留学する始末。その辺の事もエッセイで触れられています。作品的には赤瀬川原平さんの後継者の様にも。銭湯を作品にしてお湯につかれる芸術とかぶっ飛んでます。さすらう芸術家。2022/08/27
ありんこ
4
絵本「ジャリおじさん」が好きで、大竹さんの文章も好きです。自分の展覧会に関わる人の思いについて触れていたり、過去のものよりも今日世界のどこかで生まれたものを見たい、バンドの音を聞きたいと書いていたり。常に人と人とのつながりを大切にし、芸術というものをアップロードしていく、素敵な方だなぁと改めて感じました。2023/11/18
kana0202
1
造語がおもろい2023/02/24
ぺこら
1
ここまで語るのかという驚き。アーティストの誠実な人柄が伝わる。制作にむかわせるのは「何」かなどと訊いてはいけないのである。同じ時代を生きるよき鑑賞者であろうと改めて思う。個展がいよいよ楽しみ。2022/10/16
uh
0
芸術家の思考。本文中に出てきたブライアン・イーノの日記本が気になったのだが絶版でプレミア…。2025/01/16