出版社内容情報
小説って、超面白い。伊坂幸太郎が選び抜いた極上の短編アンソロジー、青いカバーのノーザンブルーベリー篇! 編者によるまえがき・あとがき収録。
【小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇】眉村卓/井伏鱒二/谷川俊太郎/町田康/泡坂妻夫/佐藤哲也/芥川龍之介/一條次郎/古井由吉/宮部みゆき
内容説明
「小説の凄さ」を知りたいけれど、一体何から読めばいいのかわからない。物語は好きだけれども、小説以外に漫画や映画、アニメ、舞台、数多のエンタメ作品はある―。そんな人にこそ届けたい、作家・伊坂幸太郎が究極の短編だけを選んだ二冊のアンソロジー。小説って、超面白い。青色が目印のノーザンブルーベリー篇!編者による書き下ろしまえがき(シリーズ共通)&各作品へのあとがき付き。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、08年『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞、20年『逆ソクラテス』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
263
10作家さんの短篇集。編者である伊坂さんの解説と言うか、思い出の様なものを寄せて。普段手にし難い作家さんに触れる機会と思ったんだけどね。これは伊坂さんの数ある短篇から忖度なしで選んだ「負ける気がしない最強軍団」なんですって。そうですね、自分なら……あの人のあれや、この人のこれを……と、想像しない訳にはいかないですね。愉しい。小説を見限る事があるならこれを読んでみてよと。それでもと言うならやむを得ず。って事だそうな。いや、ぶっ飛び気味からぶっ飛び過ぎな気がしますが。押し留めるには癖、強すぎ問題がありそうで。2023/11/03
まこみや
107
オムニバスの短篇集を読むと、自分勝手な選択で読んでいた時の偏向を修正してくれる。しかもこの本では編者の伊坂さんが面白いと思った点を解説で語ってくれている。「コカコーラ・レッスン」のラスト二行の圧巻、「工夫の減さん」の「結構」という言葉のもつ言い難い優しさ、「サボテンの花」の伏線の張り方など、プロの作家が目を付ける所をいくつも教えていただいた。ただ「先導獣の話」には当惑した。伊坂さんは「何が描かれているのかつかみやすい」と述べていたけれど、混乱するばかりだった。でもこれもアンソロジーの功徳なのだろう。2022/02/23
chimako
79
伊坂幸太郎/編 ときれいな青い装画に誘われて読んでみた。伊坂幸太郎さんが面白いと思うものが自身の頭では「ワケわかんない」や「そんなバカな」に変換されていく。こんな小説があったのを初めて知った、けどこの作家の作品は二度と読まないと思う……と思うものが多い中で泡坂さんと宮部さんはミステリーとしての馴染みもあって読みやすく面白かった。町田康さんも脱力しながら楽しんだ。伊坂幸太郎と同じものを面白いと思うには物語を読む力量が違いすぎるのを痛感した一冊。オーシャンラズベリーを読むかやめるか。2023/10/13
Tanaka9999
71
2021年発行、筑摩書房のちくま文庫。10人13編。編者の好みにより純文学とミステリーが多い(とまえがきにある)純文学は苦手なのだが、ここに入って来ている話は後に残る作品。井伏鱒二『休憩時間』昔の学生風俗を描いているのだが、最後のオチは意外。一條次郎『ヘルメット・オブ・アイアン』ナンセンスなのだが、ナンセンスに過ぎるのでないだろうか。泡坂妻夫『煙の殺意』動機は意外だし、そこに至るのに警察官の行動がからむとは。宮部みゆき『サボテンの花』ここに入るといい話か。あとがきのとおり素直に感動できるのがいい。2022/03/27
のいじぃ
69
読了。伊坂さんの推薦短編撰集。時代を反映した作家たちの内面を窺わせる繊細かつ王道な作品が続く中で異彩を放つ一條次郎。いや、知っていたけども。ジェットコースターのような自由すぎる不真面目に振り回された後に続く難解な文体の「先導獣の話」を何とか読み終えた脳に降って湧いてきた「ヘエエエエエイ、センニーン!」の衝撃たるや。もうこれ呪いやん。全部持っていくやん。無敵の呪文か何かかな。感想が全て吹っ飛んでいく始末。そんな読書体験をしてもなお頭の片隅に残っている学生時代の語らい、コーラの幻想と現実は印象的でした。ふぅ。2024/05/11
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