内容説明
親子三人競演の『びんぼう自慢』出版記念会、りん夫人の涙、洋服嫌い、最後の改名、志ん生のネタ帳…古今亭志ん生に信頼され、名著『びんぼう自慢』の聞き手&構成者として、長年、志ん生とその家族と交流を続けてきた著者が『びんぼう自慢』に収録しきれなかったエピソードや志ん生への愛情あふれる思い出をつづる。
目次
第1章 生き返った志ん生(志ん生の洋服ぎらい;十七回目の改名;貧乏自慢 ほか)
第2章 あとはおつりの志ん生(たらちめの花嫁;きょうも桃太郎;放送ありません ほか)
第3章 そういうわけで志ん生(文弥と志ん生;小泉信三氏と大津絵;志ん生の根太帳 ほか)
著者等紹介
小島貞二[コジマテイジ]
1919年、愛知県豊橋市生まれ。力士、画家、新聞記者、放送作家を経て演芸・相撲評論家。2003年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
25
本書を読んで、小島貞二が『びんぼう自慢』の聞き手&構成者であったことを初めて知った。そんな、志ん生と親しかった小島が『びんぼう自慢』に収録しきれなかった逸話や、志ん生との思い出を綴った一冊。有名なエピソードもいくつか紹介されているが、『びんぼう自慢』出版記念会での裏話など、小島ならではの話も多い。驚かされるエピソードもある。戦後すぐ、志ん生、円生、森繁久弥の三人による艶笑落語会があったとは、びっくりだ。艶笑落語と志ん生とは、意外な組み合わせに思えたが、(つづく)2019/10/05
Tomomi Yazaki
24
小さんを小説で描いた夏目漱石になぞらえて、著者は、志ん生を書く自分を幸せに思う。そんな著者は、志ん生に懇意にされていて、単独インタビューとやらもあったとか。が、問いかけるとそれに対し、会話ではなく落語口調で延々と続く。著者曰く、テープレコーダーがなかったことが返す返すも口惜しかったそうな。酒に纏わる話もとみに面白ろく快挙にいとまがない。双葉山と飲み比べして、二升も飲んで負けてしまったとか。これは、そんな志ん生の粋でちょっと照れ屋な人柄がわかる、人情味あふれるエピソード満載の一冊です。2020/05/12
kinghaya
3
★★ 中学生の頃、図書館でこの人の落語ばかり借りてひたすら聴いていた。色々な人が書いてあるため、読む気がしていなかったが、今回、筑摩文庫だったので、手に取ってみた。これを読めば、大体の人柄とかがわかると思う。2020/01/04
agtk
2
新幹線移動中に読了。志ん生の落語は昔から折に触れ聴いてきたが、人となりについてはあまり知らなかった。本書で語られているエピソードを通して、志ん生の生き方や時代の空気を知ることができた。志ん生と円生はライバルというイメージしかなかったが、仲がよかったんだな。最近は志ん生、円生の落語を聴いていなかったので、久しぶりに聴いてみようか。2019/12/31
OMO
1
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2020/03/25
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