出版社内容情報
内田百?、池波正太郎、阿川佐和子……。忘れられない味からとっておきの名店まで、作家のカレー愛に満ちた名エッセイ、ボリュームたっぷり44編!
杉田 淳子[スギタ ジュンコ]
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内容説明
鼻をくすぐるスパイスの香りと、舌にピリリと残るほど良い辛さ―老若男女に愛される“日本人のソウルフード”カレーライス。こだわりの食べ方・調理法からカレーにまつわる家族や友人の思い出、そしてもちろん国内外で食べた忘れられない絶品カレーの味まで、作家・著名人が綴った至高のカレー・エッセイをボリュームたっぷり44篇収録。読んだら絶対カレーが食べたくなる?!
目次
カレーライス(池波正太郎)
昔カレー(向田邦子)
カレーと煙草(林真理子)
ほんとうのライスカレー(井上靖)
カレーはぼくにとってアヘンである(安西水丸)
料理人は片づけながら仕事をする(伊丹十三)
カレーライス(北杜夫)
カレー好き(阿川佐和子)
夏はやっぱりカレーです(平松洋子)
私のカレー・ライス(宇野千代)〔ほか〕
著者等紹介
杉田淳子[スギタジュンコ]
1962年生まれ。フリー編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
107
そうそうたるメンバーによるカレーライス礼讃。これらの方がカレーについて書く、それも熱く語るというところにカレーライスがいかに愛されているかが分かる。私はこれまでカレーライスが嫌いだという人に会ったことがない。もちろんカレーライスが嫌いだという人が皆無だとは思わない。しかし探してやっと見つかるぐらいの数であろうことは想像に難くない。子供の頃、私はカレーライスを食べ過ぎて医者にかかったことがある。親は慌てたろうが、医者は「バカな子供だ」と笑ったに違いない。そうなのだ。私はカレーが大好きなのだ。文句あっか?2019/01/19
優希
56
カレーライスにまつわるエッセイです。様々な作家のカレーライスへの想いが感じられました。ここまでカレーエッセイを読まされたらカレーライスが食べたくなること請け合いです。自分もカレーライスが食べたくなりました。2021/07/17
ホークス
48
2018年刊。カレーに纏わるエッセイ集。カレーへの郷愁が様々なのは、誰もが食べる物だから。貧しさや喪失でも苦い郷愁となり得る。個人の歴史、時代のあり様も丸ごと溶けて物語になる。井上靖氏の郷里では、果物の木がどの家にあるか子供達は熟知していた。蜂の子など食べれるものはみな食べる。かつてはそれが一般的で、カレーは手の届く贅沢として親しまれた。内館牧子氏が見とれたのは、山盛りのカレーをブルドーザーのように食べる若いレスラー。試合の合間、体育館の裏でしゃがんで食べる。それを美しいと感じた一瞬を生々しく描写する。2021/07/06
ぐっち
44
これは良い!文豪から人気作家まで、カレーエッセイ大盛り!カレーの話をしながらも、文化、家族関係、日本文化の変遷、異文化交流まで、カレーは間口の広い料理でありつつ奥深い。思い出のチープなライスカレーもあれば、10歳の少女が作る本格的なインドカレーもある。家庭のカレーの味というが、私も阿川さんちの冬カレーのように(あんなに料理上手ではないが)適当に入れるので全く味が定まらない。一番食べてみたかったのは、藤原新也さんの長野の幻のカレー。お店がまだあればよいのだが。2019/02/16
Shoji
39
日本の国民食の東西横綱といえば、ラーメンとカレーだと思います。そんなカレーに関するお話ばかり44話集めたアンソロジーです。どの作家さんのお話も創作ではなく、記憶中枢に残っているカレーにまつわるノンフィクションです。庶民的なお話ばかりです。共感しつつ読みました。私はと言えば、キャンプのカレー、合宿のカレー、ゲレンデ食のカレー。そしてなにより、おかんカレーですね。カレー食べたいですっ!2021/05/18