出版社内容情報
食に関する常識をくつがえす、愉快な1冊。天ぷらにソースをかけないのは、納豆に砂糖を入れないのは――あなただけかもしれない。食に関する常識をくつがえす、愉快な1冊。天ぷらにソースをかけないのは、納豆に砂糖を入れないのは――あなただけかもしれない。解説 小宮山雄飛
野瀬 泰申[ノセ ヤスノブ]
著・文・その他
内容説明
地域によって大きく異なる食の「常識」。和歌山、沖縄、高知、福井では7割以上の人が天ぷらにソースをかけ、新潟、北海道では2割以上の人が納豆に砂糖を入れ、岐阜、愛知では8割以上の人が冷やし中華にマヨネーズをつける…。そんな47都道府県人の食の嗜好を徹底調査した名著『天ぷらにソースをかけますか?』と『納豆に砂糖を入れますか?』を、増補して1冊に。
目次
ソースで天ぷら
ぜんざいVS.お汁粉
中華まんを考える
たこ焼き・お好み鉄板系
牛対豚の「肉」談戦
お豆について
冷やし中華にマヨネーズ
日本の甘味処
味噌と味噌汁
漬物をどうぞ
カレーライスと生卵
納豆に砂糖
鮭とブリ
東海道における食文化の境界
糸魚川-静岡構造線を行く
著者等紹介
野瀬泰申[ノセヤスノブ]
日本経済新聞社特任編集委員、「B‐1グランプリ」主催団体顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
55
とても面白かったです。日本の地方地方の食文化の違いを調べて「食の方言」として叙述しています。同じ食でも所違えばどう違うのかデータをもとに述べています。特に、東京から京都まで東海道を著者自身の足で歩き、実際に食文化の違いを臨場感たっぷりに述べている辺り、とても楽しく読むことが出来ました。2019/02/08
ホークス
51
2013年刊。食文化の境界を調べた新聞連載が元。既刊2冊を合本のうえ加筆修正。学究肌とオタク心が両立していて面白い。書名の件を始め、牛肉と豚肉、鮭とブリなど、どの話も興味深い。中でも現地調査の長い旅日記が圧巻。そば・うどんの汁、ネギは青か白か、味噌は米か麦か豆かなどを追いつつ、富山の蒲鉾、神奈川のサンマーメン、長野のソースかつ丼(上諏訪と下諏訪の間で消滅)といった固有文化にも注目する。鰻の背開きと腹開き、蒸す蒸さないの入り乱れぶりには著者もお手上げ。自分の目と舌で確かめる、こんな調査ならやってみたい。2021/08/09
カブ
48
関東で生まれ育った自分にとって、天ぷらにソースなんてありえない事だったのに、地域によって大きく違うということに驚きです。東海道を歩いて、その境目を探る旅も興味深いものがありました。保存方法も輸送方法も飛躍的に進歩した現代でもそれらの習慣は残ってるし、残して欲しいと思います。2020/03/21
ヨーイチ
38
話のネタとしては惹かれるが、少々飽きる。子供の頃から食べ慣れたものが母親と共に懐かしく、胸がキュンとなるのは、まぁ幸福な子供時代だったのだろう。誰でも一家言が有る「食」の方言性(筆者の命名)だが、こう並べてみると画一性への道筋が見えてくるのは今となっては仕方のない事なのかも知れない。社会の進歩によって奥さんは食事作りからも解放されようとしている?コンビニ食のメニューの充実ぶりには空恐ろしさすら感じるも、これが平成末の現実なのだろう。勿論こういう遊び、感覚を否定するものではないのだか。2018/10/27
HMax
32
「天ぷらにソースをかけますか」「納豆に砂糖を入れますか」の合本。これを読めば日本の食方言がわかる。最大の驚きは「イルカ食」!なんと神奈川から静岡の辺りまでと広範囲。新たな発見は味噌汁に素麺を入れる所が以外に少ないこと。初めて東京に来た時、焼肉定食を頼んだら豚の生姜焼きで騙され、ざるそばを頼んだら鶉卵がないのに驚き、その横の100円安いもりそばって何?と不思議に感じ、ネギを見て、やっぱり東京ネギやなーと思った懐かしい思いが蘇りました。そろそろ「ひなあられ」の季節、関東のは「あられ」ではありませんね。2019/02/23