ちくま文庫<br> 氷

個数:

ちくま文庫

  • ウェブストアに23冊在庫がございます。(2024年03月29日 14時21分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480432506
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

氷が全世界を覆いつくそうとしていた。私は少女の行方を必死に探し求める。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで読者を魅了した伝説的名作。

内容説明

異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような“高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延する略奪と殺戮。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで、世界中に冷たい熱狂を引き起こした伝説的名作。

著者等紹介

カヴァン,アンナ[カヴァン,アンナ] [Kavan,Anna]
イギリスの作家。1901年、フランスのカンヌ生まれ。ヘレン・ファーガソン名義で長篇数作を発表後、『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。不安定な精神状態を抱え、ヘロインを常用しながら、不穏な緊迫感に満ちた先鋭的作品を書き続ける。翌68年に死去

山田和子[ヤマダカズコ]
1951年生まれ。翻訳家・編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 5件/全5件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かみぶくろ

117
冷たいかき氷小説。プロットがあるようでないような、悪夢の中をさ迷っているような読感である。氷に世界中を浸食されていくディストピアで、主人公はかつて夢中になったが離れていってしまった少女を執拗に追い求める。この主人公、ぶっちゃけストーカーにしか見えない。作者はヘロイン中毒だったというが、全編が、溢れでるイメージと妄執を物語上にむりやり注ぎ込んでいった印象である。それはメタファーですらない。だがその奔流はすさまじく、畳み掛ける重層的なイメージの連なりと文章の密度は、凍死というより溺死しそうであった。2015/07/28

コットン

91
私から見た少女をめぐる私と長官の話であり、大自然としての氷の物語でもある。 冒頭の給油所の従業員の「くれぐれも用心してくださいよ、あの氷には」という言葉が暗示しているような、凍えるような寒さの連続であり、それは少女の心象風景のような気もした。2018/01/13

(C17H26O4)

87
凍てつく世界に完全に閉じ込められた。物理的な冷たさも恐ろしいほど感じられたが、それ以上に精神的に迫るダークな冷たさや冷酷さがあった。作家と作品に関する解説が序文にあり、導かれるように冒頭から不条理な世界に入り込んだ。悪夢のようなヴィジョンはしばしば唐突に別のヴィジョンと入れ替わってはまた戻り、終わりなく続く不気味な閉塞感をもたらす。物語におそらく結末はない。ある意味始まりもないので何処から読み始めてもアリな気さえする。少女への虐待や陵辱が見え隠れし実のところあまり好みではない。だがしかし、かなり没入した。2022/01/19

アナーキー靴下

75
初めてアンナ・カヴァンの作品を読んだが、今まで出会ったどの本よりも魅力的で危険な本だった。出来事の心象風景、脳内のイメージをトレースしたかのような文章。突飛な場面転換や展開の唐突さに何の不自然さもなく、物語は脳に滑り込んでくる。ふいに表れる暴力的で残酷な言葉も、人間性より遥か手前、刺激に対する反応を言語化したものに見える。この上なく美しいラブストーリーのようでありながら、どこまでも自己との対話のよう。救いの向こうに世界はなく、ただ一面の氷。肉体の檻から離れたまま現実に戻れなくなりそうな、麻薬のような小説。2021/02/15

翔亀

72
人間が自然に対して犯した破壊の末に「氷」により人類が絶滅する光景をリアルに描写した終末SFのようであり、各シーンが現実から無媒介に幻想に接続する(それでいて辻褄はあっている)一夜の夢の再現のようでもあり、カフカの「城」のような探るも尽きぬ権力の迷宮、あるいは永遠の少女を追い求める黄金探索譚でもある。戦争による或いは極寒の自然の猛威による世界の破壊的状況の描写が緻密かつ論理的であるだけに、その中に知らぬ間に挿入される幻視にくらくらさせられる。それ故に逆に今の「現実」そのものの姿が作家の眼を通して見えてくる。2016/11/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9304603
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。