出版社内容情報
賢治ワールドの魅力的な擬音をセレクト・解説した画期的な一冊。ご存じ「どっどどどどうど どどうど どどう」など、声に出して読みたくなります。
内容説明
うるうる、かぷかぷ、キインキイン。ぐんにゃり、コチコチ、ごとんごとん。すぱすぱ、どほん、にがにがにがにが。賢治の童話のなかから157のオノマトペを紹介します。
目次
気象の章
風の章
霧・雨・雪・霜・雲の章
水の章
光の章
「歩く・踊る」章
「泳ぐ」章
「食べる・飲む・噛む・吸う・吐く」章
「笑う・泣く」章
「揺れる・震える」章
擬態音の章
声の章
音の章
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896年(明治29年)、岩手県花巻に生まれる。旧制盛岡中学を経て、盛岡高等農林学校を卒業。幼いころより宗教に親しみ、植物、鉱物採集にも熱中、また短歌も数多くつくっている。詩や童話の創作活動とともに、稗貫農学校で教鞭をとり、また、羅須地人協会を組織して、地域の農業指導や文化運動にうちこんだ。1933年(昭和8年)、37歳で没する
栗原敦[クリハラアツシ]
1946年(昭和21年)生まれ。実践女子大学教授。宮沢賢治学会イーハトーブセンター代表理事
杉田淳子[スギタジュンコ]
1962年(昭和37年)生まれ。フリー編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
95
日本語の擬音語・擬態語の豊かさを感じました。あまり気にしていませんでしたが、宮沢賢治作品には多くのオノマトペが使われていたんですね。その感覚が独特で、見たことのない世界へ誘われていくようでした。オノマトペが賢治の作品の世界を豊かにしていたのですね。2016/09/08
ホッパー
61
タイトル通り、宮沢賢治作品の中で使われている特殊なオノマトペが抜粋・紹介されている。途中に、しらしらと、という言葉が出てくる。サカナクションの曲アルクアラウンドのサビで印象的だったなと思い出す。調べてみると作詞されている山口一郎さんは宮沢賢治ファンで有名な方であった。繋がりが見つかるのは少し嬉しい。2021/05/01
つねじろう
44
TANGOさんのレビューから。小学校一年生の頃、風邪を拗らせて肺炎になりかけた時に先生からお見舞いに貰った「風の又三郎」と「銀河鉄道の夜」。絵本だったけどそのトーン薄暗めの独特な世界観に圧倒された事を思い出した。そりゃあ風邪拗らした子に、どっどどどどうど どどうど どどう だから余計熱が出たかも知れない。でもその不思議な感じに魅せられてボロボロになる迄読んだし他の作品も集めた。その時は気付かなかったけど惹かれた理由はオノマトペの多彩な表現力とビート感にあることがこの本読んでハッキリした。見ても楽しめるよ。2015/02/14
り こ む ん
41
【900冊】日本語ほど擬音の表現が豊かな言葉はないと聞く。日本語以外は知らないのだけど…色の多彩さを見ていると、多分、日本語がいちばん表現があるのだろうと感じる。そのなかでも、宮沢賢治の自然や雰囲気の表現は、独特だけれども、美しく微妙なものを伝えるのに群を抜き出ていると思う。本当に絶妙で、微妙な雰囲気が、オノマトペで五感で感じることができるのがスゴイ。言葉にならないモノを言葉で表す感受性の豊かさに感動するばかりだ。2016/08/20
TANGO
35
オノマトペは、音だけじゃなくて、情景や状態や情感までもを表す言葉。宮沢賢治には、世界がこんな風に見えたり聞こえたりしていたんだ、と教えてくれる一冊。それぞれの言葉が、いろんな字体でも楽しませてくれる。2015/01/30